nicola

キーワード検索

カケ×コイ

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:かなで

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.07.07

彼氏のいないクリスマスほど
悲しい行事はない。





周りはラブラブしてるのに、
私はヒマなんだもん。





こんにちは、
松尾そのまです。





カップルが多いニコラ学園の、
数少ない独り身・・・





そして、もう少しでクリスマス。





時期的にフラグは
立ちまくりのはずなのに、
相手がいないなんて~!





とほほ。





もうなんでもいいから
素敵なクリスマス、
過ごした~い!!!





「あ、そのま!」





「へ?」





呼びかけられて振り向くと、
そこには、ひなの。





私の一番の仲よし、
ひなのは長身の美人さん。





モテモテで、もちろん―――――





「お! ひなの、帰ろーぜ」





彼氏がいる。
ハルくんは、ひなのの彼氏。
カッコよくて、まるで
王子様みたいな存在なんだ。





「ごめんね、最近一緒に帰れなくて。
また明日ね!」





「気にしないで! じゃあね!」





申し訳なさそうに走っていく、
ひなのの後ろ姿を見つめる。





「はあぁぁぁぁぁ」
私は盛大にため息をついた。





恋愛って、どんなのなんだろ。
初恋も知らない私にとっては、
恋愛なんて未知数でしかない。





ただ、すっごく
素敵なものなんだろうって
いうのは分かる。





だって、恋してるひなのは
幸せそうだから。





「もー、恋ってなに!?」





廊下で突然叫んだ私に、
ひとりの人物が話しかけた。





「恋がどーしたって? そのま」





声の主は、リュウト。
同じクラスで、結構仲のいい男子。





明るくてやさしくて、
つきあいやすいヤツなんだ。





でも、コイツに
聞かれていたとは・・・





「な、なんでもない・・・」





独り言が聞こえたことを
恥ずかしく思いながら、私は返す。





「恋したいの?」





ニヤリとリュウトが笑う。





なっ・・・・・・!!!!





「そ、そりゃしたいけどっ!
そう簡単には・・・」





「じゃ、俺と恋してみる?」





―――――――――――――え?





今、なんて?





私は頭の中で、リュウトの言葉を
もういちど再生した。





意味が分からなくてボーッとしている私を
彼は淡々とした表情で見つめる。





「それ・・・・・本気?」





「うん」





「でも私、リュウトのこと
そんな風には・・・」





「クリスマスまでに、
絶対そのまは俺に惚れる。
誓ってもいいよ」





自信ありげな彼の表情。





ま、さか。
リュウトなんて、
好きになるはずないじゃん!!





私にはそんな、よく分からない
自信があった。





「リュウトなんて、好きにならないし!」





私は、そう返す。
だって、仲はよくても友達だもん。
それ以上の関係は、ありえない。





「へー、じゃあつきあって
証明してみせて?」





彼はイタズラな笑みを見せた。





「いいよ、誓ってもいい!
絶対好きにならない!」





そんなに自信があるのなら、
私、証明してみせる。





リュウトを好きになることなんて
ない、ってこと。





そう、これはニセモノの恋。
“好き”という感情は、存在しない。





「そのまは絶対、俺に惚れるから」





「絶対リュウトになんか、惚れない!」





お互いの絶対的な自信と、
先の見えない関係。





ここから、私たちの恋が始まった。













**-・.・***・.・-**





そんな約束を交わした、次の日。





朝、家を出ると、リュウトがいた。





「わっ・・・どしたの急に?」





「昨日のこと、忘れた?」





忘れる、はずがない。
ニセモノの恋が始まった昨日。





「今日からカレカノでしょ?
迎えに来た」





昨日の真剣な表情とは
打って変わった、
お日様みたいに明るい笑顔。





そのギャップがなんだか、
心をくすぐる。





「あ、ありがと・・・」





照れくさくなってうつむくと、
リュウトが手を差し出した。





「え?」





出された手を、とりあえず握る。





その瞬間、リュウトが
プッと吹き出した。





「なあそのま、それじゃ握手だって」





「へ!?」





私のつなぎ方は、確かに握手。
え、これじゃないの?





見かねたように
リュウトは握手をやめ、
もういちど私の手を握った。





このつなぎ方って・・・・・・・・





「いいでしょ?
カレカノなんだから」





無邪気な笑顔を見せる、リュウト。
これ、ひなのとハルくんが
時々やっていた手の握り方。





たしか、恋人つなぎってやつ・・・・
途端に恥ずかしくなって、
私は顔を赤くした。





ドキドキするわけなんかない。
そう自分に言い聞かせて。













**-・.・***・.・-**





数学の時間が終わって、
教科リーダーである私は
荷物を運んでいた。





みんなから集めた
大量のノート。





人数もいるだけあって、
さすがに結構重い。





「はぁ・・・」





ちょっと上にあげたら
前が見えない。





でも、手が痛くて
このままじゃ持っていられない。





うう、先生の鬼・・・・・
そんな時。





ノートでいっぱいだった
私の視界が、突然開けた。





荷物も、軽くなってる・・・?





ハッと気づいて隣を向くと、
リュウトがノートの半分以上を
持ってくれていた。





「え、リュウト?」





「あのな、そのま。
お前それでも女なんだから
男子頼れっての」





あきれた顔でリュウトが言う。





「そ、それでも女って
どういうこと!?」





「そのままの意味だよ」





彼は意地悪く笑い、
廊下を走っていく。





「ちょ、ちょっと・・・!」





私も後を追いかけた。
その意地悪な言葉に隠された
やさしさ、知ってる。





私の手に残るのは
先ほどとは比べ物にならないほど
軽いノート。





バカ。
なんでそんなにやさしいの。
そっと、心でつぶやいた。





ふとした彼のやさしさに
ドキドキしながら。





「なあ、そのま!」





前を行くリュウトが
突然振り向いた。





「・・・なに?」





「クリスマス! ヒマだろ?」





クリスマス・・・・





まあ彼氏もいないし、
ヒマと言えばヒマか。





「う、うん・・・・」





「じゃ、デートしよ」





爽やかな笑顔で
何の抵抗もなくサラッと
その言葉を口にしたリュウト。





廊下だから、余計に声が響く。





恥ずかしい・・・
私、今きっと顔が真っ赤だよ。





「だって恋人だろ?」





首をかしげるリュウト。
それもそうだよね・・・・・・





「うん! 行く」





なんでこんなに、
ドキドキしてるんだろう。





リュウトなんて
好きにならないって
誓ったはずなのに。





私は手に残る
ノートを見つめながら、
ため息をついた。













**-・.・***・.・-**





12月25日。クリスマス。





私はリュウトとの待ち合わせ場所に
やってきた。





今日の駅前は、通行人の数が
尋常じゃない。





ほとんどがカップルだったり、
家族だったり、みんな幸せそう。





街にはクリスマスソングが
流れていて、
自然と足取りも軽くなる。





「そのま! ごめんな。
遅くなって」





「あっ、リュウト」





後ろを振り向くと、
私服姿のリュウト。





は、初めて見たっ・・・





カジュアルで
ボーイッシュなその姿に、
私の心臓がドクンとはねる。





それとともに、小さな不安が
脳内をよぎった。





どうしよう、私、
場違いじゃないかな?





家を出る時、鏡で自分を見て
びっくりしたくらいだ。





普段はほとんど着ない
ワンピース。





リュウトに少しでも
かわいいと思われたくて、
髪の毛までセットして。





もしかして、
はりきり過ぎちゃった?





顔を見ると、リュウトは
目を見開いてて。





私を見つめて、驚いている。





やっぱり、似合って
なかったのかな。





「あ・・・や、やっぱ
私には似合わないよねっ」





必死でそう言う。





そうだよ。リュウトが私を
「かわいい」だなんて
思うはず・・・・ない、か。





恥ずかしくなって
後ろを向こうとした私の手を、
リュウトがつかんだ。





「いや、そうじゃなくて・・・・
なんかいつもと違ってて、
びっくりした。似合ってんじゃん」





手で口元を隠して、
顔を赤くするリュウト。





私も顔が赤くなる。





「えっ・・・・・・・・」





―――――――――今、ほめてくれたの?





なにこれ。
恥ずかしすぎる。





でもそれは、リュウトも
同じだったようで。





「っ、あー恥ずかしい!
さっさと行くぞ、そのま!」





「う、うん」





つかんでいた手を離し、
リュウトは私の手を握る。





かすかに感じる体温に、
私の心臓はドキドキしっぱなし。





だめだよ。
これじゃ私、リュウトのこと
好きになっているみたい・・・・・













**-・.・***・.・-**





映画を見て、ショッピングして、
おいしいカフェでお昼ご飯を食べて。





本物の恋人みたいに、はしゃいだ。





リュウトといる時間は幸せで、
あたたかくて、楽しくて。





1日たっぷり楽しんで、
夕日が美しい海辺にやってきた。





波が浜に寄せては返し、
のどかな時間が流れていて。





私とリュウトは、浜辺に座った。





「あー、楽しかったな!」





「うんっ!」





「てかお前、ほんと大食いだよなー」





「リュ、リュウトがなんでも
食べていいって言うから・・・!」





「ははっ、でも俺、
お前のそーいうとこ好き」





「・・・っ」





リュウトは、こういうこと
サラッと言えちゃう。





すごいよ。





「で?」





リュウトが私の方を向く。





「へっ?」





「俺に惚れた?」





ニヤリと笑うリュウト。





「なっ・・・・」





「正直に言うとさ、」





顔を赤くして黙りこむ私に、
リュウトがつぶやいた。





「俺、最初から
そのまのこと好きだった」





え・・・・・・・・?





「ほんとは賭けなんて
するつもりなかったんだ。
でも、そうしたら少しでも
近づけるなって思って・・・
そんなことしてそのまが、
俺に惚れるはずないのにな」





少し寂しそうに笑うリュウト。





「・・・・」





私は何も言えずに黙ったまま。





「やっぱ賭け、失敗した?」





ねえ、リュウト。
私、あなたの隣にいたから分かるの。





それは、無理矢理つくった笑顔でしょ。
無理して笑わないで。





私ね、
リュウトがほんとうに笑った顔が
好きなんだよ・・・・





リュウトが好きだから、
笑っていてほしいよ。





そこまで心でつぶやいて
ハッとした。





我に返る。
私、今、リュウトのことが
好きって言った?





「・・・・ごめんな、重い話して。
忘れていいから!
・・・おし、帰るか!」





リュウトが立ち上がる。





私に背を向けて、
歩いていってしまう。





私の脳内で、今日のリュウトとの思い出が
ぐるぐると渦を巻く。





ドキドキしまくりの1日。





そんな楽しくて
幸せな1日を過ごすうちに、
私は気づいたんだ。





本当はもうわかってた。
ずっと逃げてた。





でも素直にならなきゃ。
リュウトが・・・・・・・好き。





それを自分で確認して、
私は前を行くリュウトの元へ走る。





ごめんね、意地っ張りで。
傷つけてごめん、リュウト。





もういちどだけ
チャンスをください。





私はリュウトの背中に
抱きついた。





「えっ・・・そのま?」





「リュウト! 私・・・
言いたいことがあるの!」





息を大きく吸いこんで。
抱きしめる腕をきつくして、
私は叫んだ。





「好きです!!!!」





「えっ・・・・・・・・・・・・?」





上から、リュウトの
とまどう声が聞こえる。





そんな彼に、私はもういちど。





「ほんとはリュウトのこと、
好き・・・だからね、
賭け、成功だよ」





抱きしめていた腕を離す。
リュウトは、驚いた顔をしていて。





なんだか幸せで、可笑しくなって、
私はクスリと笑った。





すると、視界が暗くなって。
私、リュウトに抱きしめられてる・・・・・・・・?





「マジで・・・?
ほんと・・・信じらんねぇ」





「リュウトなんて、
好きにならないはずだったのになぁ」





「ばーか、
告白直後に言うセリフかよ、それ」





「でも、好きになっちゃった」





「・・・・・ま、予想はしてたけど?」





「さっきあんな弱気だったくせにー!」





「うっせ」





賭けから始まった恋には、
クリスマスの魔法が
かかっていたみたいです・・・・







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

松尾 そのまが主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!