告白コール

CAST近藤 藍月近藤 藍月

作者:あめのしずく

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.04.03

もうすぐ3月。
春には、クラス替え、
進級、新しい環境・・・





色々と変化の多い春が、
私は嫌いだ。





そんな季節が
もう少しで
やってくるのにも
関わらず、
毎日にこにこ
笑っていられる親友が
羨ましい。





藍月「ねえ、あやか・・・
なんでそんなに
元気なわけ?」





あやか「え?
どうしたの急に」





親友の名前は、
中山あやか。





そして
私の名前は
近藤藍月。





顔も性格も、
何もかも
違った2人だ。





突然の私からの質問に、
あやかは小首を傾げた。





あやか「そもそも
私、元気に
見られてたんだね!
嬉しいっ」





あやかは1人で
私の言ったことに
対して喜んだ。





本当にあやかは
不思議ちゃんだ。





藍月「ていうか
質問答えてよっ。
やっぱり春ってたくさん
変化があるでしょ?
その春にもう
差し掛かってるのに、
なんであやかはそんなに
元気なのかなって」





あやか「えー、
なんでかな。
・・・あっ、
クラス替えで
光翔と同じクラスに
なれるかも
しれないからかも!」





藍月「なるほどね~。
そういうことか」





少しニヤニヤしながら
言うと、
あやかは恥ずかしそうに
はにかんだ。





光翔って言うのは、
あやかの彼氏である
戸部光翔くんのことだ。





2人ともほんわかした
雰囲気だから、
見てるこっちまで
癒される。





藍月「いいなー
リア充は!」





あやか「ふふっ。
でも藍月だって
好きな人は
いるでしょ?」





藍月「まあ
そうなんだけどさー・・・
私も英人も素直に
なれないから、
全然進展がないんだよね」





お分かりいただけましたか?
そう、私の好きな人は
英人という男子。





実は幼馴染なのです。





でも私も英人も
いわゆる
“ツンデレ”って
タイプの人だから、
いい雰囲気になっても
告白までいかないんだよね・・・





藍月「はあ・・・
あやかと戸部くんが
羨ましいよ」





ため息をついて
そう言うと、
あやかは
何かをひらめいたように、
目を少し大きく開いて
笑った。





あやか「なら、私と
光翔がよくすること
教えてあげよっか!」





藍月「あやかと
戸部くんが
よくすること・・・?」





あやか「うん。私たちね、
週1回は必ず
夜8時にビデオ通話
してるんだ~!
通話なら
恥ずかしくもないし、
ラフに話せるし。
藍月もやってみなよ!」





藍月「無理だよ~!
私、部屋綺麗じゃないし。
それに英人の連絡先
持ってないし」





あやか「えっ!?
持ってないの?
なら私が放課後に
ラインで
送ってあげるよ」





藍月「いいの?
ありがとうあやかー!」





あやか「親友のためだもん!」





私はあやかに
心の中で感謝を
繰り返しながら、
6時限目の
授業を終えた。













‥*:・°‥‥‥





帰宅後。





自分の部屋で
今日の課題をしていたら、
ラインの通知が1件来た。





タップしてアプリを開く。





するとあやかとの
トークルームに、





あやか【これ、
英人のメアドね!】





というメッセージが
送られていた。





「ありがとう」の
スタンプを送ってから、
ラインの友達検索に
英人のメアドを
打ち込んだ。





すると、





藍月(!)





“英人”とシンプルに
打ち込まれた名前の
ユーザーが出てきた。





少し緊張しながら
プロフィールを
タップすると、
愛犬の写真のアイコンが
見れた。





藍月(これが
英人の連絡先・・・)





追加しようか、
しばらく迷った。





けれど、あやかの
してくれたことを
無駄にするわけには
いかない。





渋々、追加ボタンを押し、
トークルームを開いた。













‥*:・°‥‥‥





藍月【勝手に
追加してごめん!】





シンプルに
このメッセージを
送った。





これを送るのにも
1時間は
余裕でかかった。





けれど、既読マークは
一向につかない。





藍月(もしかして、
英人にとっては
迷惑なのかな・・・)





そんな考えが
脳内でぐるぐると回る。





そんなことを考えても
仕方ないのは
分かっているのに。





私はひたすらに
既読マークがつくのを
待った。





けれど、
何分、何十分待っても
マークはつかない。





藍月「・・・眠いな・・・」





机に伏せて
うとうとしていると、
次第に意識が
薄れていった。













‥*:・°‥‥‥





プルルルルルルル・・・





何回も鳴り続ける
着信音で
目が覚めた。





もしかして
私、寝てた!?





慌てて発信先を見ると、
その主はなんと英人。





出ようか
迷ったけれど、
出ないのは
申し訳ないと思い、
電話に出た。





藍月「もしもし・・・」





英人〈やっと出た。
何件メール送っても
既読つかないから
電話したけどさ、
なんで俺を追加したの?〉





藍月「それは・・・
やっぱ無理!
言えない!」





英人〈なんだそれ!〉





電話の奥で、
英人の笑い声が
聞こえる。





こんな風に会話したのは
いつぶりだっけ。





その後は
今日の課題が進んだかとか、
ささいな出来事の話をして、
あっという間に
時間が過ぎていった。





でも、ビデオ通話にする
勇気はなかった。





藍月(せっかくあやかが
提案してくれたけど・・・
やっぱり恥ずかしい)





そんなことを
思っていると、





英人〈藍月〉





突然英人が、
私の名前を呼んだ。





少しだけ
沈黙が続いていたから、
突然発された
少し低い声に
ドキッとした。





藍月「何・・・?」





英人〈ちょっと
ビデオ通話にしても、
いい?〉





藍月「えっ!?」





悩む暇もなく、勝手に
ビデオ通話にされた。





藍月「もう、勝手に
ビデオ通話にしないでよっ」





英人〈ごめんごめん。
でも、ちゃんと顔見て
話したいことがあって〉





藍月「え・・・?」





ねえ英人。顔を見て
話したいことって、何?





英人〈その・・・〉





英人はしばらくの間、
何か迷っているような
表情をしていた。





藍月「英人。
話したいことって何?
本当はないんじゃないの?」





英人〈いや、
本当なんだけど・・・
あーもういいや。
俺、藍月が好きだ〉





藍月「・・・はっ!?
え、嘘だよね?
え!?」





英人〈う、嘘じゃないし〉





英人は、画面越しでも
分かるくらい
ほんのり顔を赤らめていた。





藍月(こんな英人
レアすぎる・・・
てか私今、英人から
告られた・・・よね)





英人の言うことが
信じられない。





本当に、私たち
両想いなの?





ぽかんと
口を開けている
私に対して、
英人は苦笑いした。





英人〈本当だって。
物心ついた時からずっと。
だから・・・その、
俺と付き合ってください〉





藍月「よ、よろしく
お願いします」





いきなりすぎて
頭がついて
いかないけれど。





あやかが
言ったことは、
どうやら
本当らしい。





だって、
そのおかげで
お互いの気持ちが
分かったから。







*end*

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