1(ひと)筆のしずく

CAST関谷 瑠紀関谷 瑠紀

作者:みゅう

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.02.01

私は学校でいちばんの人気者、
ルワくんと同じ、筆道部に
入っていました。





彼は、筆道部でも
特に字のうまい子でした。





毎年バレンタインになると、
私はいつも、





「ルワくんに
わたしといて」





といわれるものの、
どうして私が……
と思ってしまう毎日です。





ようするに、
雑用係でした。





ルキ「はぁ~
つかれたぁ~」





ワカナ「どうしたの?」





ルキ「いや、全国大会が
あるってなると、
なかなかやる気が出なくて」





ワカナ「それはそうだよね」





ルキ「そうだ!
ねぇねぇ今年はさ、
全国大会自由課題じゃん」





ワカナ「うん」





ルキ「なんの字にするの?」





ワカナ「う~ん」





ルキ「悩むよね。
ちなみに私は、
『夢』っていう字を
書くつもり」





ワカナ「どうして?」





ルキ「それはね、
もともと夢がなかった私に、
筆道の全国大会
1位になるって夢が
出来たからかなぁ~」





ワカナ「え~
めちゃめちゃいいと思う!
1位になれるよ!」





ルキ「うん、がんばる」





ワカナ「ところで
ナオヤくんは
なんていう字にするの?」





ナオヤ「オレは~……
桜かな」





ルキ・ワカナ「え~」





ルキ「意外」





ワカナ「うんうん」





ワカナ「どうして?」





ナオヤ「えっと、それは……
いえない」





ワカナ「どうして~」





ルキ「まぁまぁ
いえないことだってあるよ」





ワカナ「んまぁ」





ワカナ「あ、ねぇねぇ」





ルキ「?」





ワカナ「ルワくんに聞けば?
漢字」





ルキ「えー、無理だよ。
オーラが」





ワカナ「だって好きなんでしょ」





ルキ「いや、それでも……」





私はルワ君のことが
好きでした。





でも気持ちを
伝えることは、
出来ませんでした。













・*。・ 部活終了後 ・。*・





私は、思い切って
ルワ君に書く字を
聞きました。





ルキ「あ! あの……」





ルワ「どうしたの?」





ルキ「筆道部の
関谷ルキです」





ルワ「あ~ルキちゃん」





ルキ「ルワ君は、全国大会
なんていう字を
書くんですか?」





ルワ「あ~ごめん。まだ
決まってないんだよね~」





ルキ「あ、そうですか。
帰りたいところ、
なんかごめんなさい」





ルワ「あのさ、今度から
敬語禁止ね。
もっと仲良くしよう」





ルキ「あ、はい。
……じゃなくて、うん」





ルワ「それじゃ、また明日」





ルキ「うん、また明日」





私はこの日から
とてもルワ君のことが
かっこよく感じました。













・*。・ 翌日 ・。*・





ルワ「今日も練習
がんばろう!」





ルキ・ワカナ・ナオヤ「はい!」





ルキ「そういえばさ、
ナオヤ君、書く字
『桜』っていってたけど、
好きな人の花?」





ナオヤ「え! なんで
分かったの?」





ルキ「なんかさ、
ナオヤ君って
花そんなに
興味なさそうだし、
そうかなぁ~って思って」





ナオヤ「うん、そうなの。
でも、誰にもいわないで!」





ルキ「うん。
でもワカナ以外には
言ってもいい?」





ナオヤ「あ、うん」





ルキ「やっぱり~。
ワカナのことが好きなんだ~。
だってワカナ、
桜好きっていってたもん」





ワカナ「え、何? 呼んだ?」





ルキ「ううん。
何でもない。
邪魔してごめんね」





ワカナ「あ、うん」





私はそのとき
ふと思った。





2人は両想いなんだ
ということを。





でも私は、
学校一人気の
ルワ君と
両想いなんて……











*。・----。・





ワカナ「あ~おわった~」





ルキ「帰れる~」





ワカナ「そうそう、あのさ、
今日いっしょに帰れない。
ごめんね」





ルキ「ううん。
別にいいよ。
気をつけて。
バイバーイ」





ワカナ「バイバーイ」













・*。・ 帰り道 ・。*・





あ~今日もつかれた~。
家帰ったら何しよう。





ルキ「あ、ワカナとナオヤ君だ」





(隠れて様子を見る)





ルキ「え! 告白!
(OKするのかな?)」





ナオヤ「つきあってください」





ワカナ「はい。
私も好きでした」





ルキ(やった~。
おめでとう。
しあわせに)





あ~いいな~。
私も恋に
恵まれないかなぁ~。













・*。・ 翌日 ・。*・





ルワ「よう! おはよう」





ルキ「あ、おはよう」





ルワ「あのさ、
今日放課後
用事とかある?」





ルキ「いや、別にないですけど」





ルワ「そうか。
じゃあ放課後、筆道部の
練習場所に来て」





ルキ「いいですけど、
どうして?」





ルワ「ほら、大会で書く字、
決まったから
ルキに見せようと思って」





ルキ「ほーう」





♪キーンコーンカーンコーン





ルワ「じゃ、放課後」





ルキ「うん!」













・*。・ 放課後 ・。*・





ルワ「いまから
オレが書く字、
これで本当にいいか
ルキに見てほしい」





ルキ「うん」





書き書き





ルワ「できた」





ルキ「『恋』……」





ルワ「そう、『恋』」





ルワ「今ここでいう。
会ったときから
ルキのことが好きでした」





ルキ「え」





ルワ「もしこの全国大会で
1位になったら、
オレとつきあってください」





ルワ「オレはこれを
かなえるために
『恋』という字にしたから」





ルキ「……実は、私も
ルワくんのことが
好きでした。
だからがんばって」





ルワ「うん」





こうして私たちは
大会のために
夜おそくまで
練習をしました。





結果は……





アナウンス「1位、南ルワ」





ルワ「やった~」





ルキ「イェイ」





アナウンス「2位、関谷ルキ」





ルキ「えー、わ、私!」





ルワ「おめでとう」





こうして私たちは
字にこめた
「夢と恋」が重なり
大きな結果と
なったのでした。





それぞれの思いは
きっと相手にも
届いたと思う。











*end*

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