僕の恋は叶わない
作者:あいにゃんねこ
音楽室から
聴こえてくる音色が
いつも僕の心を躍らせる。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
あ、もういる。
いつも誰よりも早く
音楽室にくるリミ。
副部長の僕よりも
早く来ている。
スライドが特徴の
トロンボーンを出して
吹いていた。
今日も綺麗な音色を
音楽室に響かせている。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
リミは僕と同じクラスで
同じ部活。
ちなみに、僕は
打楽器をやっている。
出席番号が隣だし、
一緒に委員会を
やっていたときもあった。
リミは男女平等に
接していて、
いつも笑顔が
絶えなかった。
ピコリン♪
僕は自分のスマホを見る。
『レン、
最近は元気?』
メールを送ってきた主は
アヤカ。
実は僕の彼女。
付き合って2年が経つ。
今はクラスも部活が違くて
話すのはメールだけに
なっていた。
『うん、元気だよ』
僕はメールを送信した。
ピコリン♪
『ホント!?
よかった~』
僕はスマホの電源を
おとした。
前まではメールが来たら
バカみたいに喜んで、
画面を開くのに緊張して
やっと開くみたいのを
繰り返していたのに
今ではそうでもない。
今は友達と話している
感じになっていた。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
「レン君、
おはよう!」
リミが挨拶してきた。
「おはよう」
と僕は返す。
そしてリミは
隣のクラスへと
走っていった。
僕は気づいてた。
リミの好きな人。
隣のクラスの
ルワだって。
確かにルワは
カッコイイけど
意外とモテないと
有名らしい。
胸がチクチクする。
っていうかなんで?
リミは僕の彼女じゃ
ないのに。
僕の彼女は
アヤカなのに。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
「付き合ってください!」
「ごめん。
彼女いるから」
隣のクラスの女子に
呼び出された。
実は意外と僕はモテる。
こうゆうのは慣れていた。
だけど、自分が言った
「彼女いるから」に
少し違和感があった。
もしかしたら・・・
と思った。
僕はもう
アヤカのことが
好きじゃない。
僕の好きな人は、、、
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
「レン君、
この音とその音
どっちが綺麗に聴こえる?」
リミが僕に質問を
投げかけてきた。
「・・・えっと、
最初の音かな?」
「わかった!
ありがとう!」
リミの笑顔の花が
満開になる。
ドキッ。
自分の顔が
赤くなっているのに
気づいた。
僕の好きな人は、
リミだ。
アヤカじゃない。
僕は決心した。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
『何? どうしたの、
急に改まって』
僕はアヤカに
電話をかけた。
『いや、
言いたいことがあってさ』
『何?』
『僕たち・・・
別れたいんだ』
『なんで!?
告って来たのは
そっちの方じゃん!
何なの、急に』
声からして
怒っていたとわかった。
『確かに、僕が
付き合おうって言ったけど、
その・・・好きな人が
変わったんだ』
『はぁ!? 最低』
『ごめん』
『その、好きな人って
リミでしょ』
『え・・・?』
『バレバレだよ。
見てたら分かる。
でも、その子、
好きな人いるよ。
確か、ルワだった気がする』
『・・・そうなんだ』
『じゃあ、さよなら』
電話が切れた。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
まさかアヤカに
バレてたなんて。
「レン君、
聞いてる?」
リミが僕に
話しかけてきた。
今日は土曜日の部活。
音楽室で2人、
パート練をしていた。
「え・・・あ、ごめん。
何も聞いてなかった」
「・・・何かあった?」
「いや、何もない」
「ならいいけど・・・」
沈黙が続く。
「・・・私、
好きな人がいるんだ」
「ルワ?」
「え!?
なんで分かるの?」
「・・・なんとなく」
「そうなんだ・・・
私ね、2年前に
ルワにコクって
フラれちゃったんだ」
衝撃的な発言だった。
「それでね、
もう1度告白したいの。
でも、今結構気まずくて・・・
私、全然可愛くないし、
モテないし・・・
レン君はどう思う?」
「・・・告白したいなら
すればいいんじゃない?」
「でも、多分
100%フラれるよ」
今だ、
今しかない。
「僕はリミが好きだけど」
「え!?
・・・でも
彼女いるんじゃ・・・」
「アヤカは
もう好きじゃない、
僕はリミが好きなんだ。
笑顔が可愛くて
楽器がうまくて・・・」
「レン君、ありがとう。
そんな冗談
言ってくれて・・・」
「冗談じゃない」
リミは驚いていた。
「でも、私、
好きな人いるし・・・」
「知ってる。
だから、リミ、行け。
応援してる」
僕は完全に
目から熱いものが
溢れていた。
「ありがとう。
私、頑張るから」
そのとき、
部長の
「合奏やるよー!」
の声が響いた。
「やべ、何も
練習してねーじゃん」
「部活ってこと忘れてた笑」
ああ、笑顔が可愛い。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
合奏の時間、
リミは顧問に
褒められていた。
僕もリミの音に
引き込まれていた。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
帰りのミーティングが
終わり、
リミは僕に
「頑張ってくる」
と耳元で言った。
「応援してる」
って返そうとしたけど、
もう走って行ったみたい。
+・+・+・+・++・+・・+
・++・+
月曜日、
リミの笑顔は
満開だった。
*end*
内田 蓮

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