落とし玉にはご縁あり?

CAST関谷 瑠紀関谷 瑠紀

作者:あめのしずく

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.11.20

「明けましておめでとう
御座います!」





私は中学3年生・
関谷瑠紀(ルキ)!





今日は1月1日、
つまり元日。





親戚で集まってるんだ!





コハル「るーちゃん、
はいこれお年玉」





ルキ「ありがとう!」





この人は、
湊胡遥(コハル)さん。





母方の従姉妹で、
今年社会人になった。





小さい頃から
仲良くしてくれて、
大好きなお姉さん的存在!













○ * ○ * ○ *





・家に帰って・





ルキ(3000円!
コハルちゃんありがとう~!
・・・あれ?
5円玉も入ってる?)





なんで5円玉も
わざわざ入れたんだろ・・・
聞いてみよ!





プルルルル





ルキ「あっ、コハルちゃん!
今お年玉確認したんだけど・・・
5円玉入ってたよね?
あれってなんで?」





コハル〈ああ~、あれね!
言おうと思ったんだけど、
忘れちゃってた(笑)
意味はね、
「いつまでたっても
好きな人ができない
るーちゃんに
ご縁がありますように」
ってこと!〉





ルキ「も~余計なお世話ですぅ!
でもそっか~、ご縁か!
あるといいな~!
それじゃあ、またね。
お年玉ありがとう!」





コハル〈またね~〉





プツッ





電話を切った。





ご縁、か。





改めて、コハルちゃんに
言われた言葉を思い出す。





実は私、中3にもなって
恥ずかしいけど、





初恋はまだ。





にしても、
5円玉でご縁なんて、
さすがコハルちゃんだな~!













○ * ○ * ○ *





・ある日・





母「あれ、ルキ・・・
なんか太ったわね。
正月太りかしら?」





ルキ「えっ!
そんな~!」





母「ほんとよ?
ほら、せっかくだし
散歩も兼ねて
初詣に行ってらっしゃい」





ルキ「うん・・・」





靴を履いて、
ドアノブに手をかけて・・・





というところで、
あることを思いついた。





ルキ(5円玉を
持っていけば
いいのでは・・・?)





早速5円玉を
ポケットに入れて、
神社へ向かった。













○ * ○ * ○ *





・神社で・





?「・・・あれ?
ルキじゃん!
久しぶり~!
クリスマスぶりだねっ」





ルキ「ナナ!
久しぶりー!」





この子は
野崎奈菜(ナナ)。





みんなの前で
変顔してるような
私と違って、
女子力高すぎる子。





一応親友。
こんなに可愛い子が・・・!





ナナ「ルキ1人?」





ルキ「うん。正月太り
したんじゃないって
お母さんに言われたから
ついでに運動も兼ねて」





ナナ「えー?
ルキ太ってないよ!」





ルキ「だよね!?(笑)」





賽銭箱のところには、
たくさんの人たちの列。
私たちは並んだ。





そして、
私たちの番に。





ルキ(持ってきた5円玉は・・・
あれ? ない!)





ナナ「ルキ?
どうしたの?」





ルキ「持ってきたお金が
無くなってる・・・!」





ナナ「え!
私の貸そうか?」





ルキ「でも・・・」





?「あのっ!
これ落としたよ」





ルキ「え? ・・・!」





なんと、声の主は
サッカー部の王子・
宮本龍之介
(リュウノスケ)だった。





でも、人気だけど
あんまり興味ないんだよね。





ルキ「あ、ありがとう」





ナナ「え、5円玉だったの!?
なんで5円(笑)」





ルキ「うっ、うるさいなー!
ご縁がありますようにって
従姉妹が!」





ナナ「中3にもなって、
初恋まだだもんね~」





ルキ「ちょっと・・・!」





宮本君の前で
恥ずかしい・・・





でも、宮本君は
衝撃的な一言を放った。





リュウノスケ「じゃあさ、
俺の彼女になってよ」





ルキ「・・・は、え?」





リュウノスケ「俺、
すんごい女子たちが
まとわりついてくるから
面倒なんだよね。
だから女子避けにさ、どう?」





ルキ「なっ! それはひどい!
その子たち宮本くんが
好きなんだろうにさ!」





リュウノスケ「お願い!」





ルキ「え~・・・」





どうしよう、
人気者の彼女(偽)なんて
滅多にないよね。





でも偽カノなんて・・・





ナナ「ルキ、
試しにやってみたら?
無理だったらやめればいいし」





ナナまで!
でもこれはもう
頷くしかないよね・・・





ルキ「・・・分かった」





リュウノスケ「サンキュー!
じゃあ早速、新学期の朝
登下校一緒な!」





ルキ「えっ!?」





それだけ言って、
宮本君は帰って行った。













○ * ○ * ○ *





・新学期・





心臓がバクバクしながらも、
宮本君と待ち合わせ。





みんなになんて
言われるか・・・





リュウノスケ「おはよ。
んじゃ、よろしくな」





ルキ「は、はい」





校内に入ると、
ザワザワと
みんなが騒いだ。





女子「リュウノスケ君
彼女できたの!?」





女子「関谷さん!?
意外!
接点あったっけ?」





リュウノスケ「あー・・・」





ルキ(宮本君、困ってる?)





突如、ルキは
リュウノスケの手を引いて
歩き出した。





リュウスノケ「ちょっ、急に何」





ルキ「うざいんでしょ?
早く行くよ!」





リュウノスケ(ドキッ)





手を繋いでいるような状態に、
ルキは気づいていない。





下駄箱まで来たところで、
やっと立ち止まった。





リュウノスケ「なあ、手・・・」





ルキ「っ!! ごめん!」





耳が真っ赤になる
ルキを見て、
リュウノスケが
噴き出した。





リュウノスケ「ははっ!
さっきまでガチガチだったのに
堂々と逃げるからびっくりだわ!
でもサンキュー」





ルキ「っ!」





無意識に
手を繋いでいたなんて、
言われるまで
気づかなかった。





どうしよう、
偽カノなのに・・・!





リュウノスケ「あ、今週末
空いてる?」





ルキ「え?」





リュウノスケ「遊園地行こうぜ。
まだ俺といるの
慣れてないっぽいし、
トレーニングってことで」





ルキ「あっ、空いてる!
てか行きたい!」





リュウノスケ「それじゃあ
遊園地に10時に集合な」













○ * ○ * ○ *





・昼休み・





ナナ「えっ!?
2人で出かけるの!?
すごい!」





ルキ「声大きい!
でもさ、私メイクとか
あんまりしないし
どうしよー」





ナナ「まかせて!
私がしてあげる!」





ルキ「ありがとう、
女神様~!(泣)」





しかし陰では、





ルミ「先輩、
あり得なくないですか?
なんの接点もなかった
らしいですし、
関谷先輩と宮本先輩!」





ワカナ「ココハが
可哀想だよね!
ココハはずっと
努力してるのに」





ココハ「・・・ムカつく。
こうなったら
2人の邪魔しちゃおっかな」





ワカナ「いいじゃん!
彼氏略奪計画的な?
あとこれは友達から
聞いたんだけど、
土曜日にニコラパーク
行くらしいよ。
この時に行っちゃえば?」





ルミ「そうしましょう!」





ココハ(絶対あの子には
渡さない!)













○ * ○ * ○ *





・土曜日・





ルキ「ごめんっ、お待たせ!
待った?」





リュウノスケ「3分遅刻だそー」





ルキ「たった3分でしょ!?」





リュウノスケ「どこ行く?
てか今日いつもと違うな」





ルキ「!」





今日はナナに頼んで、
髪をゆるく巻いてもらい、
コーデはロングコートに
ブラウス、ミニスカ。





いつもはカジュアルだから
違って見えるのかな・・・?





ルキ「あ、ありがとう」





ココハ(・・・)





一方ココハも、
いつ登場するか
タイミングを
見計らっていた。





2人「ギャー!!!!」





ルキ(怖い怖い怖い怖い無理!!)





ギュッ





ルキ(え・・・)





手を握られた。





ドキドキ





ルキ(ダメ、好きに
なっちゃうじゃん・・・)





しかし、私はどんどん
宮本君に惹かれていく。





リュウノスケ「やっぱ絶叫は
気持ちいいなー!」





ルキ「怖かった・・・!」





リュウノスケ「もう1回乗る?」





ルキ「無理!!」





と、その時。





ココハ「宮本くーん!
あれ、関谷さんも!
偶然だねぇ!」





ルキ(ココハちゃん・・・!?)





ココハちゃんは、
確かサッカー部の
マネージャーのはずだ。





でも、なんで今日
ここに・・・?





リュウノスケ「阿部?
なんでここにいるの」





ココハ「あ、実は友達と
来てたんだけど
はぐれちゃって・・・
一緒に探してくれない?」





リュウノスケ「え、いいけど・・・
関谷は?」





ルキ「あ、うん、いいよ!」





いいよとは
言ったものの・・・





なんだか
モヤモヤする。





ココハ「あっ、みんないた!
おーい!」





ルミ「もーココハっ!
どこ行ってたのー?」





ココハ「ごめんごめん!」





ルミ「おやっ、
リュウノスケ君と
デート?」





リュウノスケ「は? 違うし」





ルキ(私のことなんて
1ミリも眼中にない・・・)





もしかして、
ココハちゃんって
宮本君が好きなのかな?





なら、邪魔しちゃ悪いよね。





私がどこかに行こうと
思ったその時。





ココハ「リュウノスケ君、
ちょっといい・・・?」





ルキ「!」





ルミ「行くよ、
関谷さんっ
コソコソ」





ワカナ「あのさ、なんで
彼女になったの?」





ルキ「それは」





ワカナ「あんたが宮本に
釣り合うわけないじゃん。
あんま調子に
乗らない方がいいよ」





ダッ





ルキは走り出した。





ルキ(そうだよね・・・、
私が釣り合うはずがないのに。
なのに、なんで・・・)





なんで、宮本君のこと
好きになっちゃったんだろう・・・





ルキ「ご縁玉なんて嘘じゃん・・・」





涙がこぼれそうになった。





でも・・・





リュウノスケ「関谷!」





彼は追いかけてきてくれた。





ルキ「なんでここに・・・
ダメだよ、阿部さんと
一緒にいなきゃ」





リュウノスケ「あの女子なんて
どうでもいい。
俺が好きなのは・・・
ルキなんだよ」





ルキ「え・・・
それに、今ルキって」





リュウノスケ「最初は
偽カノのつもりだった。
でもお前がどんどん
好きになったんだ。
俺と付き合ってください」





まばたきもせずに、
宮本君を見つめる。





でも、私の答えは
伝えなくちゃいけない。





ルキ「こんな私でよければ・・・
喜んで」





涙が溢れる。





後で聞いたんだけど、





ココハちゃんの告白は
あっさり断ったらしい。





最初は
信じられなかったけど





5円玉が呼んだご縁は、
本当なのかもしれない。











*end*

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