タイムカプセルに秘めた恋心。

CAST凛美凛美

作者:ena

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.10.04

私の名前は
凛美(リミ)。





中学3年生の、
受験生だよ!





今は勉強の息抜きに、
近所の公園へ来てるの。





公園の名前は、
「二コラ公園」。





私にとっての
思い出の場所なんだ。





なぜなら・・・













*    *    *





リミが中1の冬





母「リミいいの?
ルワ君、今日
東京へ行っちゃったら、
しばらくは会えなくなるよ。
ほら、お母さんもこれ
渡しに行くからついてきて」





リミ「・・・うん」





私は2年前の中1のとき
幼馴染の龍和(ルワ)に
片想いをしてた。





でもルワは、
親の仕事の都合で
東京に行ってしまった。





だから私は、
もうルワに会うことは
ないと思って





初恋の気持ちを
忘れることにした。





ルワ「リミ」





リミ「何?」





ルワ「ちょっと時間ある?
あったら二コラ公園に
行きたいんだけど」





リミ「えー・・・分かった。
って、その箱は何?」





ルワ「行ってからのお楽しみ!」





私たちは二コラ公園に
向かった。





ルワ「このへんでいいか。
よし、リミ、この紙に
お互いに言いたいことを書いて」





リミ「ええ?
やだよ、
恥ずかしいもん」





ルワ「俺も書くから
リミも書けって。
見ないからさ」





リミ「・・・分かった。はい」





絶対見ないでよね。





私は、正直に
『ルワが好きでした』と
書いたんだから。





ルワ「サンキュ。
よし、じゃあ
早速埋めるか!」





リミ「え?
ちょ、なんで埋めるの!?」





ルワ「タイムカプセルにするんだよ。
リミ、いい?
俺たちが中3になったら、
またこの箱を開けにこよう。
今日の12月5日に」





リミ「ちゃんと来てくれる?」





ルワ「約束だからちゃんと来るよ。
・・・じゃあ、また2年後な」





リミ「うん・・・
またね、ルワ!」













*    *    *





そして、1か月後が
その約束の日だと
いうわけなの。





リミ(でもルワ、本当にちゃんと
覚えてるかな。
・・・そういえば、
ルワが書いたことって何だろ。
気になる!)





私は、ダメだと
分かっているのに、
箱を開けてしまった。





ルワが書いた紙には・・・
『リミが好きだ』
と、書いてあった。





リミ(え・・・!?
私のことが、好き!?
どうしよ、来月どんな顔して
ルワに会えばいいの・・・)





母からメールが来た。





母〈リミ、
早く帰ってきなさい。
勉強よ〉





私は、急いで箱を埋め直し、
家へ帰った。













*    *    *





リミ(昨日は寝不足で
全然寝られなかった・・・)





ルキ「リミどうしたの?
クマができてるよ、
珍しいね」





リミ「ルキー、助けてー!!
実は・・・」





ルキ「えっ、例の男子は
リミのことが好きだった!?」





リミ「うん・・・どうしよ、
来月どんな顔して
会えばいいのか
分からない」





ルキ「なんで?
気持ちを伝えれば
いいじゃん!」





リミ「えー、でも・・・」





先生「はい、みんな座ってー、
今日はなんと
転校生が来たから
紹介するね」





転校生「東京から来ました。
南ルワといいます。
中1まではこの学校だったから
知ってるやつも多いと思うけど、
残り少しの間よろしく」





リミ(嘘・・・
な、なんで
ルワがいるの!?)





ルキ(へえー、
イケメンじゃん!)





先生「じゃあ、
席は関谷さんの隣ね」





ルキ「よろしくねー、ルワ君!」





ルワ「よろしく。あのさ、
あの1番後ろの女子って・・・
リミだよな」





ルキ「そうだよー。リミ、
ルワ君のことずっと
待ってたみたいだから
仲良くしてあげてね」





ルワ「うん」





ルキ、いいな・・・





もうルワと気軽に
話せてる。





リミ(嫉妬しちゃうじゃん)





ルワへの気持ちは
忘れたはずなのに、
忘れられないのはなんで?













*    *    *





休み時間、
ルワは案の定、
私のところへやってきた。





けれども、私は反射的に
顔を背けてしまい、
ルワはあっという間に
女子に囲まれてしまった。





シズク「南君って、
どんな子が好みー?」





カイラ「私タイプ
なんだけどー」





ルワとはまだまだ
話せなさそう。













*    *    *





その日の帰り道、
ルワはやっぱり私に
話しかけてきた。





ルワ「リミ、だよな。
久しぶり、元気だった?」





リミ「げ、げげ元気だったよー」





ルワ「何その喋り方、
DJじゃん!」





リミ(あの時と笑顔
変わらないな・・・
ああ、こんなこと考えちゃ
ダメなのに!)





リミ「うるさいなあ!」





?(あれって・・・、
リミと、南君?
もしかして2人って、
付き合ってるの!?)





カシャリ





私たちは、この後
あんなことが起きるとは
知らずに、しゃべり続けた。













*    *    *





ルキ「リミ、
なんか男子も女子も
リミとルワ君が
付き合ってるって
噂になってるよ!?」





リミ「えっ!? なんで!?」





ルワ「2人とも
どうしたの?」





シズク「あぁ!
本人が来たよ!」





ユナ「ルワ君、
ほんとにリミと
付き合ってるの?」





コウショウ「南と
付き合ってるって
マジなの?」





ルキ(やばい・・・
助けなきゃ!)





リミ「ただの幼馴染だよ」





ヨシト「でもこれ見るかぎり
明らかにカップルじゃね?」





リミ「この写真・・・
誰が撮ったの?」





コウショウ「俺は太田から
もらったけど」





シズク「私じゃないよ!
私はミナミからラインで!!」





リミ(!)





ミナミ「な、なんで?
私じゃないよ!!」





ルキ「でも1番最初に
言い出したシズクが
言ってるんだから
事実じゃないの?」





ミナミ「・・・ごめんなさい!
どうしてもリミが
南君と一緒にいるのに
嫉妬しちゃって・・・」





リミ「なんでこんなこと
するの・・・」





ルワ「リミ、それくらいに
しとけって」





リミ「ルワには
分かんないよ!
私の気持ちなんか」





ルワ「・・・分かったよ。
もうリミには
何もしないから」





リミ(・・・っ!)





ルキ「リミ・・・いいの?」





リミ「うん・・・これ以上
ルワといたら、
言っちゃいそうで」





ルキ「・・・」





リミ「さあ勉強勉強!
受験生だしね!」





ルキ「リミ・・・」





それから私とルワは
一言も交わさずに、
12月4日、





つまり約束の前日を
迎えた。





リミ(どうしよう・・・
まだ仲直りもしてないのに、
もう明日なんて)





ピロリン♪





ルキからのラインだ。





ルキ〈リミ、約束の日って
明日でしょ?
・・・本当にこのまま
気持ちを伝えなくていいの?〉





リミ〈・・・言ったって
今の状態じゃ絶望的だよ〉





ルキ〈もしルワが、
まだリミのこと
好きだったらどうする?〉





リミ〈嬉しいけど・・・
どうして?〉





ルキ〈まだそう思うんだったら、
伝えてほしいなって〉





リミ(ルキ・・・
そんなこと
考えてくれてたんだ)





リミ〈分かった。
私ちゃんとルワに伝える〉













*    *    *





ついに今日は、
12月5日。





ルワに気持ちを
伝える日。





私は朝から1日中
ルワを待った。





でも、夕方になっても
ルワは来ない。





リミ(さっむ・・・、
やっぱり、
忘れちゃったのかな・・・?)





そりゃあそうだよね。





覚えていたとしても、
来たくないよね。





リミ「期待して損したな・・・
はは」





もう時間は午後7時。





そろそろ本当に
足の感覚が
なくなってきた。





リミ(あれ、意識が
遠のいていく・・・)





ふらっ





私は倒れかけたき、
誰かに支えられたおかげで
倒れずにすんだ。





ルワ「何やってんだよ!
すんげー冷たいし」





リミ「ル、ワ・・・?」





ルワ「何時から
ここにいた?」





リミ「朝からずっと」





ルワ「バカかよ。
・・・なんでずっと
待ってんだよ」





リミ「だって・・・
約束したじゃん!
絶対来るって」





ルワ「来ないと思ってた」





リミ「なんでよ」





ルワ「なんかせっかく
戻ってきたのに
結構冷たかったし、
俺のこと嫌いなのかなって」





リミ「バカ!
私はルワがずっと
好きなんだよ!」





ルワ「え、ほんとに?」





リミ「・・・あっ!!
何言ってんだろ私・・・!」





ルワ「リミ、こっち来て」





リミ「?」





ルワ「タイムカプセル」





リミ「あ、そっか」





タイムカプセルを
掘り出した。





私は2回目
なんだけどね。





リミ「じゃあ開けるよ。
せーの!」





ルワ「うわー懐かし!」





リミ「はい、これは
私の書いたのね。
ルワの早くちょうだい」





ルワ「うん」





リミ(やっぱり・・・
好きだって書いてある)





ルワ(え、俺たち
両想いだった?)





リミ「ねえルワ・・・
さっきの返事、
聞かせてよ」





ルワ「・・・俺はまだ
リミが好きだ。
中1のときからずっと」





リミ「うん知ってる」





ルワ「え?」





リミ「実は1人で
1回掘り出しちゃったんだ。
ごめんね」





ルワ「まあいいや、
本当のことだし。
リミ、俺と
付き合ってください」





リミ「・・・はい」





――――受験生の冬は、
少し甘い冬になる予感。







*end*

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