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音楽

2025.12.06

オーイシマサヨシがニコラに登場!!/『私の14歳』誌面未公開インタビュー「僕はオタクに恋してる」

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連載『私の14歳』は、第一線で活躍するお兄さん、お姉さんたちに“14歳”当時を振り返ってもらうインタビュー企画。第15回には、アニソン界でヒットクリエイターとして幅広い世代から注目を集め、今最も旬なアニソンシンガーのオーイシマサヨシさんが登場。ニコラネットでは、誌面では載せきれなかった高校生時代のお話、そして編集部からのコアな質問へのお答えを特別に公開します!

バイタリティーあふれる高校時代!井の中の蛙が、外の世界へ飛び出した

番外編「私の17歳」!?オーイシマサヨシの“高校生”

——中学から高校に進学して、音楽面で変わったことはありますか?

「高校に入ってから自分のバンドを組んで、オリジナル曲をつくったりもしました。そのバンドがコンテストで全国大会に行って、徐々にですけど結果が残りはじめていって……。本当の意味で、人に認められ始めた感じがしたんです。中学生時代は井の中の蛙だったんですけど、高校生になって自分の音楽が、音楽を知っている方々に少しずつ届きはじめて、さらに評価してもらえるようになったということが大きな変化ですね」

——中学と高校、自分の中でも感覚は違いましたか?

「そうですね、好きなアーティストが明確にできて、その人たちの真似をすることで音楽に対しての解像度も高くなっていきました。だから、音楽をつくる喜びみたいなものを改めて噛み締め始めたのも高校生になってからでした。あと、僕の地元にはライブハウスやリハーサルスタジオが全くなかったので自分たちでどうにかしないといけなかったんですけど、うちの父親が大工の免許を持っていたので、実家の近くの畑にほったて小屋を立ててくれて。そこに当時のバンドメンバーが機材を入れこんで、毎日ずーっと練習していました。学校で勉強して、サッカー部の練習に参加して、終わったらバンドメンバーで集まって音楽をして……というのを毎日繰り返していましたね。振り返ってみると、なかなかにバイタリティーのある高校時代を過ごしていたかもしれないです(笑)」

——ちなみに高校のときに好きだったアーティストは誰ですか?

「中学のときはアコースティックギターが中心だったので、サイモン&ガーファンクルやビートルズが好きだったんですけど、高校になってからはデヴィッド・ボウイやT・レックスなどのグラムロックと言われるアーティストが好きになりました。もともとザ・イエロー・モンキーが大好きで、イエモンのルーツを知りたくてグラムロックが好きになった感じです」

➡︎次ページ 編集部からのコア〜な質問にも答えていただきました!

次期・アニソン王!!気になる!!“オーイシSSA”の裏側インタビュー

Q.取材前、さいたまスーパーアリーナでのライブを拝見させていただきました。ライブ中、お水を飲んでいなかったように見えたのですが……。

「ステージの上で、お水は一滴も飲んでいないです。正直飲んだほうがいいとは思いますけど、僕の場合は早着替えなどでステージの下に降りたときに水分補給をしています。ステージの上でお水を飲むというのは、自分の美学的にお客さんにお尻を向けるような感じがして……。大きな舞台やステージでは極力お水を飲むシーンは見せないようにしています。ちなみに僕の大好きなポール・マッカートニーの影響でもあります!」

Q.長時間のライブで、歌唱はもちろんのこと、運動量の多さに驚きました。どう体力作りしていますか?

「僕は演出なども自分で全部行うので、これぐらいのタスクになるとか、こういう体力が必要になってくるということをある程度分かっているので……ライブ前はジムで走り込みなどを毎日やっています。もう45歳なんで体は思うように動かないし、息も上がりやすくなっていますから(笑)」

Q.SE(サウンドエフェクト=ライブのはじまりや転換期などに流れるBGMや効果音のこと)が、『プラチナ』(「カードキャプターさくら」の第3オープニングテーマ)だったのですが、これはご自身が選んだんですか?

「はい、僕の選曲です。客出しや客入れのBGMでは好きなアニソンをかけているんですけど、『プラチナ』は大好きな曲なので毎回かけています!作曲家の菅野よう子さんも好きだし、歌っている坂本真綾さんも大好きなので!!あとμ’sの『Snow halation』も絶対にかけていますね」

Q.ライブでは最後、海賊船で会場を回っていましたよね……!あのアイディアはどこから?

「演出に関しては、いろいろなアーティストのライブを見に行ってヒントをもらうんですけど、海賊船トロッコでの練り歩きは、この前GLAYさんが東京ドームライブのときにやられていて、しかも音を奏でずに、カーテンコールみたいな感じで!!あんなにも大ベテランの方々がトロッコで回ってくれるなんて……ファンとしてはすごくうれしいですよね。僕もお客さんとして行っていたので、近くで見られてうれしいという気持ちになったから、僕もライブでやってみても大丈夫かな……と思ったんです(笑)」

Q. バンド『Sound Schedule』→大石昌良→オーイシマサヨシ……へと変化を遂げていますが、自分がやる音楽のジャンルとともに、好きな音楽も変わっていくんですか?

「そうですね、環境が人を変えると言いますか……。やっぱり今、自分の好きな音楽はアニソン。だからこそ、SEはアニソンにしぼっていて。そうするとファンの方がその曲を検索して、『この曲がかかってる!』ということをSNSで発信してくれるので、おもしろいんですよ。なんかアニソンDJじゃないですけど、そういうことがひとつのカルチャー的な感じになるので、やっています。僕自身、ファンの方がどんなことをSNSで発信しているのか、ライブの本番直前まで必ずエゴサします。大きなステージになればなるほどお客さんが遠くなってしまう気がして……不安になるんですよね(笑)。僕のスタンス的に、お客さんとの距離感は近い状態でライブを進めていくということが一つのやり方なので、ネットではなんて言っているんだろうと思ってエゴサしています!」

Q.オーイシさんが組んでいるバンド『Sound Schedule』の曲は、今聴いてもなお色褪せていませんが、今の中高生に聞いてもらいたい曲をあげるとしたら?

『ピーターパン・シンドローム』かな。あの曲、自分で言うのもあれなんですけど、名曲だと思っていて(笑)。そういえば、僕が14歳のときに実際に友だちにピーターパン症候群っぽい子がいて、その子は大人になりたくなさすぎて給食を全部残していたんです。だからこの曲を歌うたびにその子を思い出すんですけどね。時代を経て、ニコラを見ている10代の方々にも響くのではないかなと思います」

Q.オーイシさんおしゃべりがとってもお上手ですが、そういう練習もしていますか?

「いやいや、MCとか、バンド時代からへたくそです(笑)。おしゃべりの勉強も練習も全然していなくて、生きていくためにおしゃべりができるようになったというか(笑)。バンドを一度解散して、ソロデビューしてから鳴かず飛ばずの時代があって、アルバイトをしながら生活をしていました。そのあとに僕はアニソン業界に拾われて、アニソンシンガーとしてデビューするわけなんです。そのときに、全部できたら食いっぱぐれることはないんじゃないかと思って!音楽や作家業だけじゃなくて、トークのお仕事やMC業も舞い込むかなぁと思い自称『おしゃべりクソ眼鏡』を名乗るようになりました。それからラジオやテレビのMCなど、トークのお仕事がすごく増えたので、言ってみるもんやなぁって(笑)。おしゃべりは後づけなんですよ、だからしゃべれている風に見えて、実は内容なんてないんです(笑)」

Q.何かに煮詰まったときに気分転換はしていますか?

「楽曲提供をするとき、煮詰まることもあるので気晴らしに犬と一緒に散歩をしています。あとはよく寝ます(笑)。夜に寝るとかじゃなくて、昼寝!30分くらい寝ると気持ちが取り戻せるんですよね。だから制作日は昼寝ばっかりしています。気分転換というと、それぐらいですね!」

僕はオタクに恋してる

「アニソンファンとかアニソンオタクの人たちって、どこか『自分なんて……』って、ちょっと遠慮がちというか、自分のことを自虐気味なやつらの集まりだったりするんですけど、僕はそういうやつらが大好きなんです(笑)。長いキャリアの中で、僕自身、オタクのことが大好きになってしまったというか…….だって、何かに熱心になって、好きなものに集中する人の姿って尊いじゃないですか!みんなは僕のことを推してくれていますが、僕もオタクのみんなを推しているから、相思相愛なんです(笑)。女の子が推しのためにネイルとかおめかしするのは分かるんですけど、男の子たちのファンも、ちゃんとおめかししてライブに来てくれるのがうれしくて!!めちゃくちゃマジで、いいやつらなんです。もはや友だちです!僕の先輩でもあり声優の谷山紀章さんが『オーイシくんにはオタクたちの夢とか希望とか、全体重がかかっているよね。“おれたちの同類”の中でたまたまスポットライトを浴びたのがオーイシマサヨシで、みんなの夢がどこまでいけるのかをみんなで期待している感じがすごくいいね』と言ってくれて、すごくうれしかったです。彼らの思いは決して重くないし、僕はステージの上が一番楽しいのでこれからも期待に応えていきたいと思います!」


Profile

オーイシマサヨシ/1980年1月5日生まれ、愛媛県出身。大学生時代に結成したスリーピースバンド『Sound Schedule』でボーカル&ギターを担当し、2001年にメジャーデビュー。2008年に大石昌良としてソロ活動をスタート。2014年よりアニメ・ゲームコンテンツ向けの名義「オーイシマサヨシ」として自身3度目のデビューを果たす。2025年9月には、さいたまスーパーアリーナでワンマンライブを成功させ、若い世代からも大きな反響を得ている。

➡︎ ニコラ1-2月合併号では連載「私の14歳」にオーイシマサヨシさんが登場!!

Photo/Fujii Daisuke Stylist/Asai Naoki(Vigroo) Hair&Make/Urimoto Misuzu Text/Ando Yoko

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