
SNSでの怪しい付き合い……娘がその渦に巻き込まれないために
反抗期は親から巣立っていく「自立」の時期でもあるわけですが、親のコントロール下から脱していくにつれ、SNSやネットの世界で怪しい付き合いをしていないか、不安を持つママもいるかもしれません。かといって、小言が増えるのは逆効果と親野先生は警鐘を鳴らします。
「この時期に家庭が居心地の悪い場所になってしまうと、子どもは『自分をわかってくれる大人』を外に求めるようになります。SNSやネットでつながる見知らぬ大人は、共感的に近づいてきます。子どもは『私の気持ちをわかってくれる』と、その存在に心を許し、心酔してしまうこともあるのです。
『親が否定ばかりで、話を聞いてくれない』と感じた子どもほど、危険な世界に引っ張られてしまいます。だからこそ、まずは子どもの話を聞いて共感すること。そして安心して帰れる場所を保つことが、反抗期を乗り越える最初の一歩です」
子どもが安心できる関係性をつくるために
ではママたちは、どんな心持ちで子どもとコミュニケーションを取ればよいのでしょう?
「親子の衝突は、『どちらが上か』『正しいのは誰か』という覇権争いになりがちです。でもそれでは関係が悪くなるだけで、何の解決にもなりません。
『今まで育ててきたのに』と親が思うのは自然なことですが、子どもにも人格があります。親の思い通りにしようと思ってはいけません。同様に、『子どもが謝らない』とか『謝ってきたら一件落着』というように、謝ってくることを着地点とするのもダメです。子どもを一人の人間としてリスペクトすることが大切です。親が独裁的に言い聞かせようとするのではなく、『共感的で民主的な対話』が求められます」
何も言わないのも「見放された」と思われるのでNG
口を出せば「言われなくてもわかってる」と言われたり、アドバイスに嫌な顔をされたり。親だって神様じゃありません!一言言わずにはいられないこともありますよね。そんなとき、親子の関係をこじらせることなく、どうしたら娘の心に届くのでしょうか?
「言葉がけの工夫は大事です。まずは共感!「がんばってるね」「大変だね」から会話を始めてみましょう。そして「〜しなきゃダメ」ではなく、「〜してね」くらいの柔らかい言い方が良いですね。また『宿題しなさい』ではなく、『1問だけやっておこう』『名前だけ書こうか』と入口を示すだけでも違うでしょう。
口で言って反発されるなら、ホワイトボードに書いて目に触れるようにしておくなど、書くことで伝えるのは案外効果的です。「うれしかった」「ありがとう」とLINEで送るだけでも良い。たとえ既読無視だったとしても、気持ちは確実に伝わっています。
また『言うだけ無駄』と何も言わないでいると、子どもとしては『見放された』と感じることもあります。『今日はいい天気だよ』『お帰り』などフラットな声かけをしてみましょう」
後編では、子どものタイプ別、事例別に、親の対応法を学んでいきます。お楽しみに!
<教えてくれたのは>
親野智可等先生(おやの・ちから)
Instagram14.6万人、X約12万人と、SNS総フォロワー数約50万人を抱える教育評論家。教師経験をもとに、親子のリアルな視点を持ったプロとして、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上など、様々なお悩みに寄り添う発信が支持されています。著書は『親の習慣100 子どもの自己肯定感がどんどんあがる!』(グラフィック社)、『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)など多数。
Text/Yamazaki Emiko










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