
反抗期の子どもへの「しつけ」はしなくて良い
また今回のママアンケートで「子どもが片付けをしない」が原因で、お互いにイライラしているご家庭が多いこともわかりました。そのことを親野先生に聞いたところ、思いも寄らない返答が!
「片付けもそうですが、言葉遣いや食事のマナー、自分のことは自分でするなどしつけ的なことをこの時期に言っても無駄なんです。子どもは聞く耳を持たないし、親子関係も悪くなるだけだから、しつけは諦めてOK!」
ええ〜!? でもダメな大人になってしまいそうで不安ですよね。
「もちろん、暴力やいじめや反社会的行動などに対しては、正面から指導が必要です。でも、細かいしつけをこの時期にしようとしても無理です。親は『中高生のうちに直さなければ』と焦りますが、実は大人になってからのほうが直せるんですよ。なぜなら社会人になって自己管理がなっていないと、信用を落としかねないと自ら理解することができ、自己改造のスイッチが入るから。誰かにやらされるよりも、自発的にやることのほうがはるかに身につくものです。
同様に『夢を持ったとき』『目的意識を持ったとき』もそのスイッチが入りやすい。自分の人生を本気で見つめたとき、人は変われるんです」
なるほど、その指摘は「今じゃない」ということ。親子バトルの大きな種がなくなりそうで、少しホッとしますね。
動画やスマホばかりでコミュニケーションがとれない子には
ママアンケートで他に多かったのは「動画やゲーム、スマホばかりを見ていて、会話にならない」というお悩み。それに対して親野先生は、
「子どものやる気が出ないときに、否定的な言葉を投げかけるのは逆効果。親が思う『やるべきこと』と、子どもの『やりたいこと』は別だと理解しなければなりません。無理にやらせようとせず、子どもの興味を応援しましょう」
でも正直なところ、子どもの興味のあることがスポーツや勉強などであれば応援できるけれど、ゲームや動画視聴を応援するのって、ちょっと難しいというママも多いのではないでしょうか? それでも親野先生はこう続けます。
「ゲームや動画は悪いものではありません。ゲームでは目標を設定して努力して、達成感を得る経験ができます。まずは『ママにも教えて』『一緒にやろう』『あなたすごいね。おもしろいね!』と共感して、一緒に楽しみましょう。『動画、ゲーム=悪』という頭ごなしの親には心を閉ざしていた子も、一緒に楽しんでくれる親には心を開いてくれます。そうしたら、次のステップに進んで共感的で民主的な話し合いでルールを決めましょう。そうすれば守ってくれる確率は上がります。守れないときは、また話し合って改善し続けます」
反抗期がなくてOKな子もいれば、危険な子もいます
アンケートで注目すべきは、子どもの反抗期を感じていない人が3割近くいたことです。「反抗期がない」は育てやすくて羨ましいなと思う一方で、成長面では大丈夫?と心配になることもあると思います。親野先生によると、問題がある場合とない場合の2種類あるそうです。
「問題ないのは、自分で気持ちを処理できるタイプの子の場合です。子ども自身の器が大きく、メンタルが安定していて、内面的には反抗していても表に出すまでもなく、自分の中で余力を持って消化できるタイプです。
逆に要注意なのが、親が厳しすぎて反抗できないタイプです。『親に言っても無駄だから』と溜め込んでいることが多く、そういう子は、いじめをしたり、外で悪さをしたり、成人した後に爆発することもあります」
反抗期がないと感じているママたち、自分は厳格すぎないか、子どもはどんなタイプか、よく見極めて対応していきましょう。
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