努力した結果が実らなくて辛い(中3)2023.07.04保健室
少し前に行われた書道のコンクールで入賞できなかったショックから立ち直れません。部活後も年中、すごくがんばって休むことなく練習していました。とてもショックでそれ以来ずっと何をする気にもならないし、思い出してはすぐ泣いてしまいます。親に言っても「悲しいフリしてるだけでしょ」などと言われ、気分が余計に落ち込みます。友だちにも相談できません。どうすればこの辛い気持ちから立ち直れるのでしょうか? また、どのような気持ちでこれから書道をやればいいのでしょうか?(中3・ふたばLoveちゃん)
まずはしっかり休もう!小さな成果の積み重ねを大切に
ふたばLoveちゃんはそのコンクールのために、すごく努力してきたのですね。入賞するんだ!という強い思いで、毎日がんばって書道に打ち込んできた姿が目に浮かびます。
大人でも何かひとつのこと(たとえば仕事など)に打ち込んできた人が、突然やる気や気力を失ってしまうという状況が起こることがあります。『燃え尽き症候群』などと呼ばれており、ある目標に向かってすごく努力したのに期待したような結果が出なかったときにも起こり得ますし、逆に努力の結果、大きな成功を収めた後にも起こることがあります。どちらにしてもそこに向かって一心に努力してきた目標がなくなったときに、まるで火が燃え尽きてしまったように気力がなくなってしまう状態を言います。ふたばLoveちゃんの今の状態も、それに似ているかもしれませんね。
今のふたばLoveちゃんに必要なのは、まず心身ともにしっかり休むことだと思います。コンクールに向けてがんばってきて、心も体も疲れてしまっている状態だと考えられるので、まずは焦らずにしっかり休みましょう。そして少し元気が出てきたらまた次の目標を立てるのもよいと思いますが、次回は今回のようにそれだけに向かってがんばるのではなく、気分転換の時間もはさみながら取り組むといいかと思います。たとえばある程度書道の練習をした後は友だちとおしゃべりをする時間を持つとか、全然違う趣味に取り組む時間を持つ。あるいは週に1~2日は書道から完全にはなれる日を作るなど、少し気分転換の時間を入れることで、気づかないうちに体や心が疲れすぎてしまうことを防ぎましょう。
また、目標に向けてがんばることはとても大切ですが、「コンクール入賞」などの目標達成だけを目指すのではなく、その過程に意識を向けるようにしましょう。たとえば「今日はこの『はね』をうまくできるようにしたい」とか「この文字を…」とか小さな目標を作って、それができたらまた次、というようにして小さな成果を積み上げていく方法です。ふたばLoveちゃんは大きな目標達成のために、小さな成果を数えきれないほど積み重ねてきているはずです。その小さな成果をひとつひとつ「できた!」と自分で意識することが大切だと思います。小さな達成感を重ねていくことで、もしコンクールなどで思うような結果が出なかったとしても「でも私はこんなにうまくなった」と自分の成長がしっかりと感じられるはずです。そしてさらに「もっとうまくなりたい」という大きな目標にふたばLoveちゃんを駆り立ててくれると思います。今後に向けて、ぜひ試してみてください。(臨床心理士・桝田智子先生)
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桝田智子先生(関内カウンセリングオフィス)
心やからだの悩みごとについて、話を聞いて優しく相談にのってくれる心理カウンセラーの先生だよ。
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ニコラ2023年10月号「誰にも言えない心とからだの悩み nicola保健室」より転載
ニコラ2023年8月号「誰にも言えない心とからだの悩み nicola保健室」より転載