完璧女 小林さん。

CAST小林 花南小林 花南

作者:えびもこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.10.20

私の名前は小林花南。





学校では、「完璧女」
と呼ばれている。





なぜなら、私は
「絶対に失敗をしない」からだ。





授業では、いきなり
当てられても
間違えたことがないし





どんなに難しい公式でも
スラスラと言える。





体育では、縄跳びは
1度も引っかからないし





バク転だってお手のもの。





そんな完璧な私だが、
今とてつもなく
悩んでいることがある。





それは、文化祭だ。





この学校では、3年生が
毎年演劇をするのだ。





私は、絶対に演劇だけは
やりたくない。





なぜなら、私はとてつもなく
演技が下手なのだ。





幼稚園時代の学芸会では、
なんでも完璧だったために
主役のシンデレラに抜擢された。





しかし、セリフがあまりにも
棒読みすぎて
会場が笑いの渦に
包まれてしまった。





そしてダンスも
下手だったために
王子様の足を踏んでしまい、
大泣きさせてしまったこともあった。





その時から、私は一生
演劇には関わらないと
決めたのだ。





だが、ピンチは訪れた。





文化祭の役割決めの時に、
演劇を希望する人が
1人もいなかったのだ。





先生「じゃあ、小林さんに
やってもらいましょう!
いつも完璧だから大丈夫ね!」





・・・はい?





え、先生今なんと・・・?





私は混乱した。
まさか、この私が、
演劇をするなんて・・・





だがここで断ったら、
あの完璧なイメージが
乱れてしまう・・・





(先生が小林さーん?
と静かに呼ぶ)





カナミ「分かりました・・・
やります」





先生「小林さんなら
やってくれると思ったわ!
じゃ、お願いね」





(拍手が起こる)





カナミ「もう、
こうなったらやるしかない。
絶対にこのイメージを
壊さないようにしよう」













*。・ 家 ・。*





カナミ「練習は仮病を使って休んで、
とにかく家で
練習することにしよう・・・」





カナミ「劇は白雪姫で、
私は・・・小人役か。
セリフは少ないけど
ダンスがあるんだよなぁ・・・」





私は、ダンスも大の苦手だ。





あぁ・・・
全く上手くいく気がしない・・・













*。・ 本番 ・。*





カナミ「よし、徹夜で
ダンスの練習もしたし
絶対大丈夫だ!」





アナウンス「次は3年生による劇
『白雪姫』です」





カナミ「よし・・・いくぞ・・・!」





(カナミの出番になる)





・・・





(カナミの心の声)「よし。
セリフはなんとか上手く言えた。
次はダンスだ・・・!」





(ダンス)





カナミ「え、私が練習してたのと違う・・・?
あ、もしかして、
私白雪姫のダンスを
練習しちゃってた・・・!?」





カナミ「やばっ、、
私全然踊れてない・・・!!」





(会場がザワつく)





アム(クラスメイト)「小林さん、
いつもはあんなに完璧なのに
ダンスめっちゃ下手じゃん笑」





リナ(クラスメイト)「だよね?笑
全然完璧女じゃないし?笑」





(カナミは全くついていけず、
途中で抜ける)





カナミ「どうしよう、
皆になんて言われるか・・・」













*。・ 教室 ・。*





アム「小林さーん?
どうしたの?
あのダンス?笑」





リナ「あんなに失敗してるとこ
初めて見たー笑」





カナミ(心の声)「どうしよう、、
もう皆と顔合わせられないよ、、」





(カナミは机に突っ伏し、
皆にからかわれる)





レン「小林さん、
大丈夫?
ちょっと来て」





カナミ「えっ」





なんで、
あの超絶イケメンの
佐藤君が・・・?





私と何の関わりも
ないのに・・・













・。・。・。・。・。・。・。・。





(階段に2人で座る)





レン「あのダンス、
どうしたの?
いっつも完璧なのに・・・」





カナミ「実は、間違えて
白雪姫のダンスを
練習してしまったんです・・・
もうどうすれば・・・」





レン「え、そうだったの!?
めっちゃウケる~笑笑」





カナミ「なんで笑うんですか!?
全然笑いことじゃないですよ、」





レン「ごめんごめん笑
意外とドジなんだなと思って?笑」





レン「小林さん、
そういうとこもあるなんて
知らなかった!
意外とかわいいじゃん笑」





そんな風に言われたのは、
初めてだった。





私は固まってしまった。





レン「小林さん?
え、ごめん
嫌だった・・・?」





カナミ「いえ、、
大丈夫です。
ありがとうございます」













*。・ 1年後 ・。*





あの後、私は、
蓮君に告白して
付き合うことになった。





蓮君がいなかったら、
今の私はいないと思う。





あの時から、私は、
素の自分でいようと
心に誓った。





それからは、
とても充実した学校生活を
送ることができた。











・。・。・。・。・。・。・。・。





レン「カナミ、
行こうぜ」





カナミ「うん!」





私とレンは、この春
念願のニコラ学園に入学した。





私の青春は、
まだ始まったばかり。







*END*

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