体育祭のジンクスで!?

CAST池 未来実池 未来実

作者:りりこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2018.08.01

告白なんて、
もうしたくない





絶対に絶対に・・・





私の気持ちは隠し通すの。







失恋なんて
もういいよ・・・





そう、
思ってたのに――――











°・:・。・*・:・°・:・°*°・:・。・*・:・°・:・°*





池未来実、
中学1年生。





どこにでもいる
普通の中学生。





「えっ、花南って
小原唯和と付き合ってんの!?」





「もっと早く言ってよ?!」





教室の隅で、
響ちゃんと莉那ちゃんが
花南ちゃんを囲んで
盛り上がっていた。





・・・その噂はもう古い。





花南ちゃんが唯和くんと
付き合ってるのは
何となく気づいてた。





私が告白する前から・・・・・・





卒業式が近づいてきて、
私は唯和くんに告白した。





クラスが離れたら・・・





終わっちゃうと
思ったから・・・





諦めの告白だったのに、
分かってたのに





それでも辛くて、
ただ、悲しくって。





でもあれから3ヶ月、
中学生になり、
もうそんな感情は
消え去ったんだよ。





最初、花南ちゃんと
同じクラスになった時は
動揺したけど
それももうなくなった。





ガラッ、





?「あっ!
おはよう未来実!」





未来実「胡遥!
おはよぉ!」





小学校から仲良しの胡遥。
奇跡的に同じクラスになれた。





私が失恋を乗り越えたのも、
胡遥のおかげなんだよなぁ。





胡遥「ねぇ、未来実!
今日の部活さー・・・」





未来実「うわー
それキツーイ!」





私たち2人は
陸上部に入部した。





1年生でも
練習はキツイ。





私は別に足は
そこまで速くはない。





だから、頑張るんだ・・・!!













°・:・。・*・:・°・:・°*°・:・。・*・:・°・:・°*





?「なんだこれ?
ハンカチ・・・?」





部活が終わり、帰り途中、
俺が拾ったハンカチには
名前が書いてあった。





?「池・・・未来実・・・
たしか陸上部にいたよな・・・」





辺りを見回すと
ちょうど未来実さんが
歩いているのを見つけた。





?「未来実さん!」













°・:・。・*・:・°・:・°*


?「未来実さん!」


誰かに 名前を呼ばれた。


振り返ると、 知らない男の子がいた。


未来実「えっと・・・?」


?「ハンカチ、落ちてた」


未来実「あ、ありがとう!」


純也「おう・・・ 俺、渡江純也」


未来実「池未来実です。 私の名前正しく読めた人 珍しい笑」


純也「あー、まぁね」


未来実「だいたい、みくみって! ひどい人はみらいみ!」


純也「みらいみって笑笑」


未来実「ふふっ笑」


それから、私たちは 家の方向が一緒で、 そのまま一緒に帰った・・・






°・:・。・*・:・°・:・°*°・:・。・*・:・°・:・°*


あれから数日。


私たちはたびたび 会話を交わすようになり、 純也くんが野球部で、 2つ隣のクラスだとわかった。


純也くん、か・・・


陸上部から野球部が よく見える。


よく見ると背が高く、 大人びている。


未来実「カッコイイかも・・・」


胡遥「誰がカッコイイって!?」


未来実「わっ、胡遥!?」


胡遥「誰見てたの?? もしかして恋!?」


未来実「ストーップ! 違う違う! あ、私の番! 走り行く!」


はぁ・・・ 胡遥が変なこと言うから、 意識しちゃうじゃんか・・・


走りに集中!


よーい・・・ パーンツツ!!


あぁ、風になって走る この感じが好き。


って、純也くん、 こっち見てる!


目、合っちゃった!!


って・・・


未来実「きゃあ!」


動揺して、 転んでしまった。


胡遥「未来実、 大丈夫!?」


未来実「大丈夫・・・」


胡遥「休んできなよ・・・!」


未来実「うん、 ありがとう・・・ そうする・・・」


はぁ・・・ 本当にダサい・・・


こんな意識しちゃって、 なんなのよ・・・


未来実「純也くんにも 見られたってわけで・・・」


はぁ・・・ もう、本当に最悪だよ・・・


純也「未来実さん!」


未来実「じゅ、純也くん!? 部活は!?」


純也「今、休憩時間。 そんなことより 大丈夫か!?」


未来実「あ、うん、 大したことないよ・・・」


純也「うわ、血が出てる! 俺、絆創膏 持ってきたで! 足出して!」


未来実「あ、いいよ そんな!」


純也「いいから」


ドキン・・・ ドキン・・・


心臓の音がいつもより、 うるさい―――


私はもう、 純也くんのことを・・・


好きになっちゃったんだ・・・






°・:・。・*・:・°・:・°*°・:・。・*・:・°・:・°*


次の日、教室に入ると、 真っ先に響ちゃん達の 声が入ってきた。


響「花南、 なんで別れちゃったのー!?」


莉那「もったいないよー!」


え、別れた? 花南ちゃんが? 唯和くんと?


響「もうすぐ体育祭だよ! ジングスやれば 良かったのに?!」


花南「あはは・・・ いろいろとね? ・・・」


いろいろって、 何があったんだろう・・・


未来実「胡遥おはよ! 花南ちゃんって 何があったの??」


胡遥「あー、おはよ! あのね、噂ではなんか、 唯和くんの浮気がバレて 揉めたとか」


未来実「えっ、浮気!?」


胡遥「そう、 まぁ本当かは知らないけど、 それより、未来実は 体育祭のジンクスどうする!?」


未来実「えっと、 体育祭のジンクスって何??」


胡遥「えっ、知らないの!? この学校の有名な 都市伝説だよー! 確かね・・・」


体育祭のジンクス―――


体育祭が終わった後、 校庭に立つ大きなクスノキの前で お互いの名前を呼び合い 気持ちを伝えあったら 一生結ばれる・・・


未来実「なんか・・・ ロマンチック!」


胡遥「だよねー! で、未来実はそこで告白!? きゃっ」


未来実「えっ!?」


胡遥「好きなんでしょ? えっと、そうそう! 渡江純也!」


未来実「えぇぇぇ!?!?」


胡遥「ほんと 分かりやすい・・・笑」


未来実「でも、私はしない。 そんなこと」


胡遥「未来実・・・」


未来実「こんな普通の女の子、 誰も好きになんないし、 振られるに決まってる。 辛くなるだけ」


胡遥「未来実は 振られるなら 告白しないの?」


未来実「えっ?」


胡遥「告白ってね、 自分の気持ちを伝えるって 意味なんだよ。 振る、振らないは違うと思う」


気持ちを、 伝える―――・・・


純也くん・・・






°・:・。・*・:・°・:・°*°・:・。・*・:・°・:*・°*





パーンパンパーン。





体育祭当日。





ついにこの日は
やってきた。





あ、純也くん速い!
カッコいいなぁ・・・





胡遥「分かりやすいなぁ笑」





未来実「わ、すごい1位!」





胡遥「こりゃダメだ笑」





未来実「わ、胡遥いたん?」





胡遥「いるわ!
てかさーうちら陸上部、
無駄に期待かかってるよー」





未来実「うわ、マジ?
どーしよ?!」





胡遥「それより、
どーすんの??
ジンクス!」





未来実「あ、それなんだけど、
朝、下駄箱に
こんなものが・・・」





胡遥「なになに・・・?
『体育祭終了後、
クスノキの下で待ってます』・・・?
って、これ絶対告白だよ!?
誰から!?」





未来実「それが書いてなくて・・・」





胡遥「とりあえず
行ってみなよ!」





未来実「うん・・・」





体育祭は、
純也くんのチームが
優勝した。





未来実「喜ぶ姿・・・
ふふっ」





私たちのチームは
負けちゃったはずなのに
なんだか嬉しいかも。











* ――― * ――― *





私は約束の
クスノキの前へ行った。





?「未来実さん」





!?
この声は・・・!





未来実「唯和くん・・・!?」





唯和「俺さぁ?
考え直したんだよね。
やっぱり未来実しかいないって!
だから、付き合お!」





この人は
何を言っているの・・・?





未来実「花南ちゃんは・・・?」





唯和「別れた!」





未来実「浮気がバレた、から?」





唯和「人聞き悪いなぁー!
告白されたから
1日出かけただけ!」





未来実「・・・・・・」





浮気がバレて、
別れたからって
私と付き合うってこと?





唯和くんが
こんな人だったなんて・・・





唯和「ま、とにかく付き合お?
ジンクス、
やってみようよ!ww」





未来実「私はもう
好きじゃないから・・・」





唯和「は?」





未来実「好きな人、
出来たから!」





唯和「はぁ?
意味わかんねーし!
好きな人変わるの早くね!?
もしかして俺に告ったのも遊び?
マジねーわーww」





そんなつもりじゃ
なかったのに・・・





私は遊びで
告白なんてしない!





でも、何も
言い返せなくて・・・





唯和「な? 今なら
言いふらさねーからな?
どーする?
付き合おうよ!」





・・・・・!!





?「いい加減にしろよ」





未来実「純也くん・・・!!」





唯斗「誰だお前?
急に入ってきやがってww
こいつに気があんの?ww」





純也「あっちゃ悪いかよ!」





未来実「えっ?」





唯和「い、意味わかんねー!
リア充め!
クソクソ!」





純也「はぁ・・・、
あの人ガキだね。
大丈夫?」





未来実「うん・・・」





純也くん、
さっき言ってたことは
私が好きってことだよね・・・?





私はどうしたいの?





純也が好き。
これは変わらない気持ち。





でも、もし
勘違いだったら・・・?





『告白ってね、
自分の気持ちを伝えるって
意味なんだよ。
振る、振らないは違うと思う』





胡遥の言葉を
思い出す・・・





未来実「純也くん・・・
私・・・」





真っ直ぐ
純也くんを見る。





未来実「好きだよ!
純也くんのことが!」





お互いに固まる。





私はうつむいてしまい、
純也くんの顔は見えない。





純也「俺さ、
初めて話す前から
好きだった」





未来実「えっ?」





純也くんが、
私を、好き・・・?





純也「あれは・・・」







*.





入学式の日の朝―――





俺は配られたクラス表を
1人1人丁寧に確認していた。





翔大郎「おっす!
お前何組だった?」





純也「俺、6組」





翔大郎「お前学年全員
確認するのなww」





純也「おー、てか
この3組のこの人
なんて読むん?」





翔大郎「あーいけくるみ。
塾一緒の人だ。
あ、ほら、
あそこにいる人」





純也「池未来実、か・・・」





俺が目にしたのは
楽しそうな声、
輝く笑顔・・・





一瞬で恋に落ちたんだ。





純也「それは、
一目惚れだったんだ」





未来実「そう、だったんだ・・・」





純也くん・・・





純也「だから、
ハンカチ拾った時
マジでビビった笑」





未来実「そっか・・・」





純也「そうだ、
ここってさ、
ジンクスあるんだよね」





未来実「うん・・・」





純也「じゃあ俺と・・・」





少しの間があった。





純也「ジンクス
やってくれますか」





私は、精一杯の笑顔で。





未来実「もちろんです!」





純也「池未来実さん」





未来実「渡江純也くん」





2人「好きです」







~END~

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