ニセコイ ―真逆の私たち―

CAST池 未来実池 未来実

作者:かき氷のシロップ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.01.27

カラオケルームに
男子4人女子4人。





ジュンヤ「2番が8番に告白!
ガチのやつねー!」





これは、友達に
無理やり連れていかれて、
カラオケルームで
王様ゲームしているところ。





マナ「2番と8番誰ー!?」





池クルミ、
高校2年生。





多分、今が
人生一ピンチです。





神さま、恨みます・・・





私にどうしてこんな運命を、
与えになるのですか・・・!





私は2番と書かれた割り箸を
力いっぱい握りしめていた。





オオゾラ「はーい!
俺はっちばーん!」





よ、よりによって
懸樋君・・・





懸樋君は、
クラスの人気者。





私はそんな人達の
陰に隠れて、
ひっそりと
生活している感じ。





友達のコハルちゃんが、
みんなで集まるから
クルミも行こう! って
誘ってくれた。





クルミ「わ、わ、わた、
私です・・・」





懸樋君の方を見ると
ニッと笑ってた。





ジュンヤ「まじか!
池さんファイト!」





コハル「クルミ・・・?
大丈夫?」





どうしよう・・・
これはもう、
どうにでもなれっ!





クルミ「わた、わた、私っ、
懸樋君のこと好きれす!」





私は下を向いたまま
じっとしていた。





マナ「ぶは!
池さん面白ーい!」





リン「ほんとー!
ウケるし!」





タカト「好きれす! って!
ボケかっての!」





もう・・・
帰りたい・・・よ。





オオゾラ「・・・いいよ。
付き合お!」





クルミ「・・・・・・え」





オオゾラ「ってことで、俺ら
初デート行ってきまーす!」





懸樋君は、
私の手を掴んだ。





で、デートっ!?





ユイト「えっ! オオゾラ!
これ、遊びだって!」





オオゾラ「ガチっつったの、
ジュンヤだろー!
じぁな! またあしたー!」





クルミ「うわっ!」





バタンッ





マナ「なんなの。
池のやつ」





リン「ねームカつく」





コハル「クルミ・・・」













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





クルミ「ちょっと、待ってっ」





オオゾラ「あ、ごめんごめん」





何、この人・・・
めちゃくちゃ強引!





クルミ「な、なんで、嘘だって・・・
知ってて、OK・・・したの・・・?」





オオゾラ「んー・・・
池さん面白そうだし!」





り、理由になってない!





オオゾラ「今日から俺の彼女ね!」





え・・・・・・





オオゾラ「あと、
クルミって呼ぶね!」





えっ・・・!?





オオゾラ「よろしくクルミっ!」





えええぇっ!?!?





こうして私達は、
お互い好きでもないのに
付き合うことになった。













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





+次の日+





コハル「クルミ! 大丈夫?
めっちゃ勝手な人っぽかったけど・・・」





クルミ「ほんとだよ~!
コハルちゃん、助けて~!」





コハル「クルミがあんな
クラスの中心人物と
付き合うなんてねー」





クルミ「やーだー!」





コハルちゃんとは、
幼稚園からの付き合いで
普通に喋れるけど、
主にコハルちゃんしか
友達はいない・・・。





地味だし無口だし、
ノリなんて良くないし・・・





なのに・・・
なんで懸樋君は私なんかと
関わったんだろう・・・













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





+休憩時間+





マホ「うわぁ!
次の英語で、私当たるのに~!
誰か~! ノートプリーズ!」





サキ「あー! 今日の難しいよね!
マホ、しかたないよー!」





ノート・・・





私はぎゅっと
ノートを握った。





私やってるけど、
渡せる勇気なんてな・・・





パシッ





クルミ「あっ・・・!」





懸樋君が私のノートを取り、
パラパラとめくって、
若林さんに微笑み懸けて言った。





オオゾラ「クルミのノート
わかりやすいから、
参考になるよ~!」





マホ「池さん、借りていい!?」





クルミ「う、うん!」





マホ「ありがと~!
ほんと助かる!」





サキ「うわー!
ほんとに分かりやすい!
参考書みたーい!」





オオゾラ「渡せて良かったな!」





私の心よんでくれたの・・・?





言葉にできなかった、





ありがとうの言葉・・・













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





+次の休憩時間+





セナ「ここわかんなーい!
テスト出るのに!」





カナミ「しかたないよー!
私もわかんないしー!
諦めよー!」





セナ「でも、ここやらなかったら、
結構点下がるよ~!」





私、分かってるけど、
教えられるほど、勇気ない・・・





オオゾラ「俺、クルミに教えてもらったんだけど、
めっちゃ分かりやすかったよ」





セナ「えっ! ほんとっ!?
ここわかるの?」





クルミ「へっ!
えっと・・・うん。
お、おし、教えよう・・・か?」





セナ「ほんと?!? 教えてっ!」





クルミ「う、うん!」





ガシャッ!





クルミ「わっ!」





私は慌てすぎて
ペンケースを落としてしまった。





それでびっくりして、
教科書まで落としてしまった。





カナミ「あははー!
池さん面白っ!」





セナ「意外と天然系??」





マホ「池さんってほんと
教えるの天才だよー!
あ、てかさ、クルミちゃんって
呼んでいい?」





クルミ「えっ!
も、もちろん!」





セナ「私も呼びたい!
・・・てか、私、数学教えてもらってる
とこなんだけどー!」





マホ「ごめんごめーん!
私も解き方教えて!」





クルミ「うん!」





懸樋君は、
笑っている私の横顔を見て、
優しく微笑んでいた。













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





クルミ「か、懸樋君!」





オオゾラ「ん?」





クルミ「あの、さ、さっきは・・・
えっと・・・」





また、言えなかった・・・





やっぱり私は、ダメだな・・・





その時、頭の上から
優しい声がした。





オオゾラ「どういたしまして」





えっ!





オオゾラ「クルミからありがとうって
心の声が聞こえた気がした~!」





気持ちが伝わった・・・!





オオゾラ「いいんだよ。
無理に伝えようとしなくても」





オオゾラ「それより良かったじゃん、
友達増えて」





クルミ「で、でもなんで、
私が数学教えるのうまいよ! とか
英語わかりやすい! とか
言ってたの?
私、今まで懸樋君と
喋ったことなかったし・・・」





オオゾラ「あー・・・、クルミがさ、
コハル? っていう子に教えてたり
ノート見せてたりしてたから・・・かなー!」





私のこと、
気にかけてくれてたんだ・・・





私をクラスに
馴染ませるために、
私が王様ゲームで
付き合おうって言った時、
OKしてくれたのかな・・・





私のことを考えて・・・





私のために・・・





懸樋君はいい人なんだね。













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





+次の日+





マナ「池さん。
ちょっといい?」





リン「話があるの」





安村さんと高田さん?





クルミ「な、なんですか?」





マナ「あんたさー、
どうやって懸樋君
落としたの?」





リン「懸樋君は、
あんたみたいな地味な子、
好きじゃないのにねー」





マナ「時々、変なことしたり、
言うのも懸樋君だからねー」





リン「まぁ、あんたなんか、
すぐに飽きられるから」





キーンコーンカーンコーン





リン「マナ、行こ」





怖い・・・





コハル「クルミ・・・!」





コハルちゃん・・・





コハル「懸樋君、
何考えてんだろーね。
ほんとにクルミのこと、
好きとか?」





クルミ「そ、それは・・・ないよ。
それより、教室戻ろう」













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





+放課後+





オオゾラ「クールミ! 帰ろ」





!?





ザワッ・・・





クラスがざわつく。





マナ「池のやつ、
まだこりないのっ!?」





リン「私達の警告、
無視するなんてね~!」





私は俯いた。





私は・・・ただ、王様ゲームで、
命令の言う通りに
しただけなのに・・・





懸樋君は、
落ち込んでる私を見て、





オオゾラ「クルミ?
・・・はぁ。
そゆことね」





懸樋君はため息をついて
言った。





オオゾラ「安村、高田!」





2人はビクついた。





リン・マナ「ど、どうしたの?」





オオゾラ「お前らさぁ・・・、
俺らに妬いてんの??」





!?





オオゾラ「クルミと俺、
超ラブラブだから!」





!~!?





オオゾラ「それにさークルミ、
面白いんだよ?
いきなり顔面からずっこけたり、
ガラス系もたせたらすぐ落とすし、
いつでも危なっかしいんだよ~!」





そ、そんなことしてない・・・!





オオゾラ「絶対、楽しいから、
クルミと仲良くしてやってね!」





仲良く・・・





ハルカ「池さんって、
面白いんだねー!」





マノカ「仲良くしたいね~!」





懸樋君はすごい。





一瞬で自分の思うように、
その場を作っている・・・





懸樋君の横顔が、
すごくかっこよく見えた。





オオゾラ「よし。
じゃあ俺らは、
放課後デートな!」





今なら言える・・・





クルミ「ありがとう・・・!」





懸樋君は驚いていたけど、
やがて微笑んで言った。





オオゾラ「へぇ~。
笑ったら可愛いじゃん」





ボッ!





今、顔赤い・・・!





また、私の顔を見て
笑った。











*.





オオゾラ「最近さー、
暗くなるのはえーな!」





クルミ「うん。
さ、寒くもなってきたね」





オオゾラ「ん? 寒い?」





パサッ





オオゾラ「風邪ひいて欲しくないから、
これ着てて」





懸樋君は、
自分のブレザーを
私にかけてくれた。





クルミ「あ、ありがとう・・・
懸樋君」





オオゾラ「初めて俺のこと見て、
名前呼んでくれた」





クルミ「そう・・・だったの?」





オオゾラ「えぇ? 自覚なし??」





クルミ「ご、ごめん!
私、そういうところまで、
気が回らなくて・・・」





オオゾラ「ううん。だけど、」





クルミ「ぇ?」





オオゾラ「これからは、さ
俺のこと、
下の名前で呼んで!」





クルミ「下の・・・名前?」





オオゾラ「うん!」





えぇー!? 下の名前!?





クルミ「おっ、おお、」





オオゾラ「おお?」





クルミ「オオゾッ・・・
(プシュー)
(クルミは限界を超えた)」





オオゾラ「ぶはっ!
やっぱおもろい。
ゆっくりでさ、いいから
呼んでほしい!
これ、俺の願い」





クルミ「う、うん」





いつか、
呼べたらいいな・・・





懸樋君の願いは、
私の願いでもあった。













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





その夜、
懸樋君からメールが来た。





クルミ「明日・・・
休日デート・・・
しよーね・・・」





私は、自然に
口角が上がった。





クルミ「えっ・・・?」





鏡を見て思った。





私、嬉しいんだ。





懸樋君と一緒に
いれることが、
嬉しいんだ・・・!





神様は私に不幸を
与えたんじゃない。





懸樋オオゾラ君という人を、
私に近づけてくれたんだ。





それで、結びあわせて
くれたんだ・・・













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:*・゜°・☆





+次の日の土曜日+





服は決まったけど、
髪型どうしよう。





うーん・・・ここは、
いつものままの
三つ編みで行こう・・・





オオゾラ「クルミ! おはよう!」





クルミ「お、おはよう・・・!」





オオゾラ「よし、今日はクルミに
喜んでもらうために、
プランを立ててきたんだ!
まずは・・・わたがし!」





クルミ「わたがし!?」





オオゾラ「お! ナイス反応!
よし! 行くぞクルミ!」





クルミ「うん!」





カラフルなわたがし、





カラフルなチーズが入った
トースト。





面白い映画。





2人だけのプリクラ。





2人の思い出が
増えていく。







・ ・ ・ ・





そして、もう夕方。





オオゾラ「クルミさー、
いつもと同じ格好だね」





クルミ「う、うん」





オオゾラ「もっとさ、
自分だしなよ!」





クルミ「わっ・・・!」





パステルカラーの
ユニコーンがついたネックレス。





それを懸樋君は
私の首につけた。





オオゾラ「うん。似合う!
んー、これは外そ!」





クルミ「えっ!」





シュッ





私の三つ編みをほどいた。





オオゾラ「いつも三つ編みだから
癖ついちゃって
ウェーブになってる」





オオゾラ「うん。
もっと可愛くなった!」





懸樋君はニコッと
私に笑いかける。





その笑顔にいつも
魔法がかけられるようだった。





でも、懸樋君は私のことを
好きじゃない。





私をクラスに
馴染ませるために、
付き合ってくれているんだ。





だけど・・・





いつでも優しくて
笑顔な懸樋君が、好きです。





私のことを好きじゃなくても、





私が1番じゃなくても、





この恋が偽物だとしても、





私は今、





懸樋君の彼女で幸せです。







私に恋を教えてくれて
ありがとう。







クルミ「お、オオゾラくんっ!」





オオゾラ「えっ!
下の名前で・・・」





クルミ「私、最初あんまり
人と関わりたくないような
性格だったけど、
オオゾラ君のおかげで、
学校生活楽しくなった!」





オオゾラ「!」





クルミ「ありがとう!
オオゾラ君!」





オオゾラ「あのな、お前さ、
もう笑わんといてーよ」





えっ・・・





クルミ「な、馴れ馴れしくして
ごめんね・・・」





オオゾラ「そーじゃなくてー!」





クルミ「え?」





オオゾラ「さっきまで、
可愛いだの似合うだの
言えてたけど・・・、」





オオゾラ「ほ、ほんとに可愛いから・・・、
言葉が・・・出なくて・・・」





クルミ「か、可愛いっ・・・?」





オオゾラ「ぬあぁあぁっ!
俺こんなキャラじゃねーし・・・!」





オオゾラ「これからも・・・さ、
ずっと俺の隣にいてほしい・・・
クルミが好きです!」





オオゾラ君、
顔真っ赤・・・!





憧れのオオゾラ君から、
こんな言葉が
聞けるなんて・・・





クルミ「・・・よっ・・・
よろ・・・こんでっ!」





私はたくさん目に涙をためて、
オオゾラ君に抱きついた。





クルミ「ありがとう・・・」





私達は、今この瞬間、





ニセモノの恋から
本物の恋となった。





・・・いや、もう少し前から、





いつのまにか好き同士に





なってたのかもね。







*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆END

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