大切な君と大切なもの。

CAST平澤 遙平澤 遙

作者:たぴまる@遙

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.09.09






「ただいまー」





今日は早く
宿題片付けよー。





あ、あれ!?





理科室に消しゴム
置いてきちゃったぁぁぁ!





あれは私の
大切な大切なもの。





小学生の頃にもらった
消しゴムのカバーを
未だに付けて使ってる笑





貧乏だから?
かわいいから?





そんな理由じゃない。





小1の頃、
幼なじみのタカトに
もらったから。





近所に引っ越してきてから
好きになっちゃって
お手紙で告白した。





そしたら、タカトが
ありがとうって言って
あの猫の柄の
消しゴムをくれたの。





それが嬉しくて
たまらなくて、





タカトにないしょで
ずっと使ってる。





でも、「ありがとう」が
どんな意味なのかは
分からない。





断れなかっただけかな?





それでも私は
タカトが好きだ。













*。・ 翌日 ・。*





「あれ、ハルカ
どこ行くの?」





「あ、コハル
気にしないで笑
昨日忘れ物したから
理科室に探しに行く!」





「え・・・
ハルカやめなよ!
理科室の噂
知らないの?」





「噂?」





「理科室に人体模型が
あるでしょ?
それが動き出して
人を連れ去るんだって!」





「そんなの嘘でしょー笑」





「それがさ、科学部の子が
最近連絡無しで
学校来てないらしいよ・・・
部活の後に1人で
残ったんだって」





「そっか・・・
じゃあやめるわ笑
コハル消しゴム貸して!」





そんな・・・
人体模型・・・





怖いけど
あの消しゴムを
探さないと・・・













・*・―――・*・―――・*・





放課後、
理科室の前まで来た。





でも足が動かない。





「あれ? ハルカ?」





「タカト!?」





「お前どうしたの?
理科室なんてやめとけ笑」





「いやーそのー。
忘れ物しちゃって!笑」





「ふーん。早く帰れよー。
また宿題終わんねーよ笑
何日俺が見せてやってるんだよ笑」





「はー?
本気じゃないだけだし笑
まあ、帰るね! ばいばい!」





あーあ。
また探せなかった。





タカトには
消しゴムのことなんて
言えないし。





あれタカトって
書いてあるし笑





おまじない信じてるけど
もう時間切れかな笑





好きな人と結ばれる
おまじない。





諦めようかな。





「ただいまー。
ちょっと消しゴム
買ってくるわー」





「あ、そうだ。タカトくんが
帰ってないらしいけど
何か知ってる?
タカトくんのお母さんが
心配してたわよ」





「え!? お母さん
今なんて言った!?」





「だから、タカトくんが
帰ってないって」





私は学校に向かって
走り出した。





タカトは絶対
私の忘れ物を
探してくれてる!





昔もそうだった。
いつも助けてくれた。





あああ、どうしよ!!





タカトが私のせいで
連れ去られたら・・・













・*・―――・*・―――・*・





理科室に着いた。





もう学校は真っ暗。





理科室の電気は
ついてない。





どうしよ・・・怖い。





ぎゃっ!





正面の人体模型と
目が合った!?





怖い、怖いよ。





もしかして、
もうタカトは
連れ去られた・・・?





そんなの嫌だ。





そんなの嫌だよ!!!





私は意を決して
理科室に1歩踏み込んだ。





「タカトー!!!」





「ハルカ?
なんでいるの?」





「え・・・?
タカトなの・・・?」





「お前何とぼけてるんだよ笑
俺だよ、タカトだよ」





「良かったぁぁ・・・」





もう泣きそう・・・





「なに泣きそうに
なってんだよ笑
お前が探してたの、
これでしょ?」





タカトが
あの消しゴムをくれた。





でも、ということは・・・





「もしかして、
消しゴム見た・・・?」





「当たり前だろ笑
お前の名前が書いてあるの
探すんだから笑
で、なんで俺の名前なの?」





「それは・・・
タカトのことが・・・」





「待て!
やっぱ俺が言う!」





「俺は昔から
ハルカのことが
大好きです」





「私も。大好き」





「よし! 早く帰ろ!
親も心配するし」





「タカト待ってよー!」





「お前なんでも遅すぎ笑
手、出せよ」





え・・・私今
タカトと手繋いでる・・・





やっぱりタカトは
昔から優しいね。





もっと好きになっちゃうよ。





ちなみにタカトには
バレてたけど





まだあの消しゴムは
使い続けるんだー笑







*end*

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