あつまれ！やすむらの森

CAST安村真奈

作者：まなくる

2020.07.23

私、安村真奈。

もう中学３年生になるが、
友達が１人もいない。

このまま中学校生活が
終わるのか・・・

そう思っていた私だが、
あるゲームに出会って
人生が変わった。

それは
あつまれ！　ニコラの森
というゲーム。

最初は友達が
１人もいない状態で
無人島に来るが、
一緒に過ごしていくうちに
友達がどんどん増えていく。

このゲームの中の私のように、
どんどん友達を
増やしていきたい！

私はそう思った。

そのためには
どうしたら・・・

ゲームをやっていくうちに
私はわかった。

自分に友達が
できない理由・・・

それはフレンドリーじゃない
ということ。

このゲームの私は
積極的に他人に話しかけて
仲良くなっていく。

だが現実の私は
自分から話しかける、
それ以前に話しかけられても
無視をしていた。

マナ「だから
友達ができないんだ・・・」

そこで初めて
わかった。

マナ「明日からは
積極的に
話しかけてみよう！」

○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・

マナ「おはようございます」

いつもはしない
挨拶をした。

クラスのみんなは
驚いていた。

いつもあんなに静かな
安村が・・・？　と。

マナ「私に挨拶を
返してくれる人なんて・・・」

と思っていたら

ナオヤ「おはよう、安村さん」

クラスの中心にいる男子、
紀田ナオヤ君が
挨拶を返してくれた。

それに続いて
何人かの子も
私に挨拶をしてくれた。

私は少し、
ナオヤ君のことが
気になっていた。

その気持ちに気づくのは
もう少し先のお話。

毎日挨拶をしていたら、
休み時間に
話しかけてくれる子が
出てきた。

クルミ「安村さん、
私とお友達にならない？」

マナ「え？　私と？」

クルミ「うん。
前まであんなに静かだった
安村さんが
毎日挨拶してくれて、
怖いってイメージが
なくなったの。
仲良くしたいなって思ったの」

マナ「池さん・・・」

クルミ「クルミって呼んで。
私もマナって呼んでいい？」

マナ「クルミ・・・
よろしくね」

マナ「マナ、よろしく！」

１人、友達ができた。

そこからクルミさんの友達、
そのまた友達と
私の友達はどんどん
増えていった。

マナ「夢みたい・・・
私の森にも
友達がいるなんて・・・」

クルミ「何？　森って」

マナ「どうぶつの森って
知ってる？」

クルミ「うん、
私もやってるよ！」

マナ「私、ゲームの中の
自分みたいに、
友達いっぱいの森に
したかったの。
今の私の森には
友達がいっぱい。
それが嬉しくて・・・」

クルミ「マナならもっと
増やせるよ。
頑張って！」

マナ「うん！」

友達いっぱい・・・
それだけでいいはずなのに、
なぜか私の心は
満たされなかった。

マナ「なんでだろう・・・」

クルミ「どうしたの？」

マナ「友達がいるだけで
いいはずなのに、
なぜか心が満たされないの・・・」

クルミ「彼氏が
ほしいんじゃないの？」

マナ「か、彼氏？」

クルミ「マナさ、いつも
ナオヤのこと
ぼーっと見てるじゃん。
無意識かもしれないけど
それってこいなんじゃない？」

マナ「私、ナオヤ君のこと・・・」

○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・

マナ「ナオヤ君、
話があります」

ナオヤ「何？」

マナ「ナオヤ君が
私に挨拶を返してくれた時、
本当に嬉しかった。
ナオヤ君が私の人生
変えてくれた。
今まで気づかなかったけど、
私、ナオヤ君のことが好き」

ナオヤ「俺も。
安村が変わるまでは
怖いって印象しかなかったけど、
あの日から可愛いな、
いい子だなって思い始めた。
まだまだ知らないことばっかりだけど、
俺と付き合ってくれませんか？」

マナ「もちろん！」

最初の私の森は
静かで、
私１人しかいなかった。

けど
今の私の森には
友達もいて、
彼氏もいて、
とても賑やか。

みんなも
やすむらの森にあつまれ！

＊ｅｎｄ＊