私の家政婦ノザキさん
作者:のなな
私、阿部ココハ。
中学3年生。
モデルのお仕事をしています。
1人で東京に上京してきて
もう1ヶ月。
家事が全く出来ない私は
沢山ある洗濯物たちに
埋もれていた。
ココハ「あぁーどーしよ」
片付けるのも面倒で
もう行かなければいけない
仕事の準備をしていた。
「ピンポーン」
こんな時に一体誰?
お母さんかな。
「え?」
誰。
知らない人だ。
ナナ「お母様に
頼まれて来ました。
家政婦の野崎ナナと
申します」
お母さんそんなの
頼んでたんだ。
まあ助かったー!
ナナ「ではおじゃましまーす」
助かったとはいえ
この人おとな?
中学生にしか
見えないけど。
ナナ「早速やっていきます」
家政婦の野崎さんが
家事をしてくれている間に
お母さんに電話をしてみた。
ココハ「お母さーん、
なんで家政婦さん
頼んだの?」
母「だってあなた
家事全然できないでしょ。
だから頼んだのよ」
ココハ「助かったけどさー
急に来てびっくりするよ」
母「まあいいじゃない。
モデルの仕事頑張るのよ」
ココハ「うん、ありがとう。
じゃあね」
せめて家政婦さん
来るんだったら
言っといてよ。
ナナ「あの、
お仕事の時間
大丈夫ですか?」
ココハ「あ! やばい!
行ってきまーす!」
ナナ「残りの家事は
私がやっておきますので」
ココハ「ありがとうー」
はぁ、電車
間に合ってよかった。
あ。あの人だ。
それは
戸部コウショウ。
私と同じ事務所の
モデル。
何度か共演したこと
あるんだけど、
とってもかっこよくて、、
「しんじゅくー
しんじゅくー」
あ!
降りなきゃ!
さあ気持ちを切り替えて。
いくぞ!
ココハ「おはようございまーす」
「あ、ココハおはよう!
早速だけど
これに着替えてくれる?」
ココハ「りょーかいです」
ココハ「着替え
終わりましたー」
「うん。可愛いね。
じゃあ早速
撮影していこう」
ココハ「はい」
あ、コウショウだ。
今日は一緒に
撮影できるのかな。
「ココハ!
行くよ!」
ココハ「あ、はい!」
「可愛い!
かわいいね!
笑顔ちょうだい!」
かっこよく、かっこよく。
服もしっかり見せて。
「OK!」
ココハ「ありがとうございましたー」
「じゃ、次は
胸キュンシーンの
撮影いくよ」
ココハ「え、誰とですか?」
「えーっとね
今回はコウショウと」
まじで?
やったーー!
あ、冷静に冷静に。
「じゃあいくよー」
「いいね! いいね!」
ち、ちかいよ。
近すぎるよ。
「ココハ!
目そらさない!
見つめて!」
あ、だめだ!
撮影に集中!
あー疲れた。
今日は特に疲れた。
コウショウ「ココハちゃん、
おつかれ」
ココハ「お、おつかれ」
あーびっくりした。
コウショウ「どうしたの?
今日。
胸キュンシーンのとき
変だったけど」
ココハ「そ、そうかな。
何もないけど」
やっば。
もしかして
気づかれてた!?
コウショウ「あ、もしかして。
俺にキュンとした?」
な、なんですと!?
コウショウ「嘘だよ。
ちょっとからかってみただけ。
そんなに赤くなって。
かーわいい」
ココハ「ちょ、ちょっと
からかわないでよね!」
もーなんなの。
でも、私のこと
「かわいい」って、、
エリナ「ココハ。
なにしてんの?
帰らないの?」
ココハ「ふぇ?
あ、か、帰るよ!
じゃあねー!」
エリナ「変なの」
・*・―――・*・―――・*・
ココハ「ただいまーー」
ナナ「おかえりなさーい」
あ、そっか。
家政婦さん
いるんだった。
ココハ「今日の夕食は
お魚でいいですか?」
ココハ「う、うん。
なんでもいいよ」
うわぁ。
私の部屋が
すごい綺麗になってるー。
やっぱ家政婦さん
すごいな。
ココハ「うーん美味しい!」
ナナ「お口にあって
良かったです」
ナナ「明日はお仕事
あるんですか?」
ココハ「明日はお休みかな。
あと敬語じゃなくていいよ」
ナナ「了解です。
では明日一緒に
お料理の練習をしますか?」
ココハ「だから、野崎さん
敬語じゃなくていいって・・・
え?」
ナナ「すいません。
実はお母様が、ココハさんは
家事が苦手だって言ってたから、
休みに練習をしようとおもって」
ココハ「わたしが? 料理?
そんなのムリムリー」
ナナ「まあでもやってみよう」
ココハ「うん。わかった」
・*・―――・*・―――・*・
ナナ「ココハさーん。
起きてー」
ココハ「うーん。
もっと寝させてよ」
ナナ「今日は料理の練習だよ」
ココハ「うーん。
わかったよ」
ナナ「では、
ココハさんは
ご飯炊ける?」
ココハ「え? ご飯?
炊いたことない・・・」
ナナ「了解。
さっそく朝ごはんを作ろう。
献立は、味噌汁、ご飯、
卵焼きとかだよ。
やっていこう!」
ナナ「じゃあ、お米といで」
ココハ「おっけい」
ナナ「あ! 違う!
これはこうやって・・・」
ココハ「ほほー」
ナナ「ココハさんは
好きな人いるの?」
ココハ「好きな人?
えーっと
コ、コウショウかな?」
ナナ「へー!
コウショウさん。
私の姉の友達だよ」
ココハ「まじで?
え、コウショウ
好きな人とかいるの?」
ナナ「えー確か
いなかったはずだよ。
でも好きな人いるとか
言ってたかな」
ココハ「え?
だ、誰なの?」
ナナ「そこまでは。
でもココハさんは
好きなんでしょ。
喋りかけてみなよ」
ココハ「えそれは、ちょっと」
ナナ「勇気出さないと
前に進めないよ」
ココハ「分かったよ。
明日頑張る」
ナナ「それでこそ
ココハさん!」
ココハ「って私のこと
そんなに知らないくせに!」
「あはははは」
あー今日の料理の練習
楽しかったな。
ココハ「おやすみなさい・・・」
ナナ「おやすみ」
ココハ「やばいよ!
もう電車きちゃうよ!」
ナナ「これ持って行って。
しっかり食べないと
倒れちゃうから」
ココハ「オッケイー」
*。・ 電車にて ・。*
あ、コウショウだ。
喋りかけないと。
ココハ「コウショウ!
おはよう」
コウショウ「お!
ココハちゃん。
おはよ」
コウショウ「初めてだね。
おはようって
言ってくれたの」
ココハ「え?
そんなこと
ないんじゃない?」
コウショウ「今日は何時まで
撮影なの?」
ココハ「今日は15時までかな」
コウショウ「俺も。
じゃあ撮影終わったら
一緒にどこか行かない?」
ココハ「え・・・」
も、もしかして
これは、
でーとぉぉぉ?
コウショウ「嫌だったら
いいんだけど」
ココハ「そ、そんなことない!
行こ!」
コウショウ「おっけい、
行くとこ探しとくわ」
あーびっくりした。
ドキドキだよー。
*。・ 撮影終わり ・。*
ココハ「コウショウー?
どこー?」
あれ?
いないよ。
コウショウ「ココハちゃん」
ココハ「うわぁ! もー
びっくりさせないでよ」
コウショウ「ごめんね。
じゃあ行こうか」
なんか、
カレカノみたい・・・
このままなれたり
しないかな・・・
*。・ デート終わり ・。*
コウショウ「今日はありがとね」
ココハ「こっちこそ。
楽しかったよ。
ありがとう」
コウショウ「じゃあ、
ばいばい」
ココハ「うん、
ばいばい」
あーもう終わりか。
ココハ「ただいまー」
ナナ「おかえり!
ココハさん。
で、どうだった?」
ココハ「えっとね。
今日一緒に
どこか行かないって
誘われちゃってね」
ナナ「うんうん!」
ココハ「2人でデート?
行ってきた」
ナナ「ほんとに!?
すごいよーー!」
ナナ「明日もこの調子でね。
頑張ってね!」
*。・ ベッドにて ・。*
ココハ「あー幸せだ」
私はそう幸せに
ひたっていた。
後に悲しいことが
あることを知らずに。
*。・ 次の日の撮影終わり ・。*
今日もコウショウと
一緒に帰ろっかな。
あ、コウショウいた!
ココハ「おーい!
コウショ・・・」
あのコウショウの
隣にいる人って誰?
すごく綺麗な人。
もしかして、彼女?
うそでしょ。
じゃあ昨日のは
何だったの。
私はからかわれてたの?
私の顔が
赤くなっていくのが
分かる。
私は急いで
家に帰った。
ナナ「おかえりー。
ココハさん、
今日はどうだ・・・」
私は今すぐ
1人になりたかった。
ナナ「ココハさーん。
ご飯できたよ」
もう誰にも
会いたくない。
明日は休みだから
ずっとここにいよう。
*。・ 次の日 ・。*
ん?
もうあさか。
ナナ「ココハさん、
おはよう」
ココハ「野崎さん」
ナナ「いったいどうしたの?
相談乗るよ」
ココハ「実はね・・・」
ナナ「あー、
そうだったんだ。
でもそれコウショウさんの
おねえさんかもよ」
ココハ「え?」
ナナ「明日聞いてみたら?」
ココハ「そうする」
*。・ 次の日の撮影 ・。*
ココハ「ねぇコウショウ」
コウショウ「どうしたの?」
ココハ「コウショウが一昨日
一緒に帰ってた人って誰かな?
私見ちゃって。
綺麗な人と一緒にいるところ」
コウショウ「あーあれは
俺の姉だよ。
迎えに来てくれたんだ」
ココハ「何だ、
そうだったんだね。
良かった」
コウショウ「ん?
もしかして嫉妬した?」
ココハ「え?
そんなことな・・・」
コウショウ「ホントのこと言って」
頬をつかまれた。
ココハ「したよ。嫉妬。
コウショウ
彼女いたんだと思った」
コウショウ「そうなんだ。
俺も嫉妬したことあるよ」
ココハ「え?」
コウショウ「ココハちゃんが
他の男子と
仲良く話してて」
え、ほんとに?
コウショウ「俺のココハちゃん
とられたみたいに思ったよ」
俺のココハちゃん?
嘘。
コウショウ
私のこと・・・
ココハ「そ、そんなの
気づかなかった」
ココハ「ねぇコウショウ。
わたし、
コウショウのこと・・・」
コウショウ「言うな」
ココハ「え?」
コウショウ「俺に言わせろ」
コウショウ「ココハちゃん、
俺は、ココハちゃんのことが、
好きだ!
ずっと前から好きだ。
この思い、
受け取ってくれる?」
あれ?
なんか涙が出てくる。
止まらないよ。
ココハ「私も、ずっと前から
コウショウのこと好きで、
大好きで、
私をからかっているときの
コウショウも、
モデルのコウショウも
全部好き。
コウショウがそんなこと
思っていてくれたなんて」
コウショウ「なんで泣いてんだよ。
ココハちゃん、
俺と付き合ってくれる?」
ココハ「もちろんでしょ!」
野崎さんありがとう。
野崎さんのおかげだよ。
こんなにも幸せなのは。
*end*
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