イチゴの幸福

CAST林 芽亜里林 芽亜里

作者:第2号の金魚

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.05.17






今日は、
お弁当の日。





4時間目。





運動部の男子は
空腹との戦いの
最中である。





それにひきかえ、
私の頭の中には、
あの3文字でいっぱいだ。





1文字目「い」
2文字目「ち」
3文字目・・・





キーンコーンカーンコーン





メアリ「ごー!!!!」





ココハ「メアリ?
どうしたの?」





いちごへの愛が止まらない、
私こと、林メアリ!
中3です。





今日の私のデザートは、
大量のいちごなのだ!





メアリ「ココハー!
一緒に食べよっ」





親友の阿部ココハを誘い、
机をくっつけて
ランチタイム!





メアリ「いちご!
いちご! いちご!」





ココハ「メアリって本当に
いちご好きだよね」





メアリ「だって、
美味しいんだもん」





いちごに
心を奪われて早5年。





この愛は
深まるばかりです!





ご飯とおかずを
食べ終わって、
いざ、デザートタイム!





いちごの入っているであろう
タッパーの蓋をあける。





そして、閉じ込められていた
いちごの甘い香りが
周りに広がる。





メアリ「いっただっきまーす!」





すると、頭の上から
手が伸びてきて、
私のいちごを1つ奪った。





ナオヤ「うまっ!」





メアリ「ナオヤ!
何勝手に食べてるの!」





私のいちごを食べたのは、
幼なじみの紀田ナオヤ。





ナオヤ「いーじゃん1個くらい。
メアリのケチー」





メアリ「もー!」





ナオヤは、笑いながら、
男子の群れの中に
戻っていった。





ココハ「メアリとナオヤ、
本当に仲良いよねー!」





メアリ「幼なじみなだけだよ」





ココハはニヤッと
微笑む。





・・・いちごの借り、
いつか返してもらわないと!





ココハ「そう思ってるのは
メアリだけかもよー」





メアリ「ん?
なんか言った?」





ココハ「んーなんでもないよ!」





コウショウ「サッカーしに行こーぜ!」





ナオヤ「おう!」





男子のほとんどが
教室を出て行った。





ココハ「コウショウって、
男子の中心みたいだよねー」





戸部コウショウは、
ココハの好きな人。





メアリ「まーた
コウショウの話ー?」





ココハは
頬を赤らめる。





ココハ「一緒にどこかへ
出かけるチャンス、
ないかな」













*・゜°・*:・。・・・:*:・。・ ・。・:*・゜°・*・*:・。・





メアリ《で、2人がどこかに
出かけるチャンス、
どうやって作るの?》





ナオヤ《はぁ?
それ、俺に聞く?》





ココハの悩みを
解決するために、
ナオヤとメールで会話中。





メアリ《だって、ナオヤは
コウショウと仲いいじゃん》





ナオヤ《えーー》





メアリ《あ、そうだ。
コウショウが
好きなものとかないの?》





ナオヤ《あいつ、
いちごとか、ぶどうとか、
めっちゃフルーツ好きだぜ。
今日の弁当のデザートで、
お前よりいちご持ってきてたし》





そうなんだ!





・・・ん?





メアリ《それだったら、
私のいちごを食べるより、
コウショウのいちご
貰えばいいのに。
なんでわざわざ
私のいちご食べたのー!》





・・・あれ?
返信遅い。





メアリ《おーい!》





ナオヤ《別にいいだろー。
てか、フルーツ関係で
出かければいいじゃん》





別にいいだろって、
理由になってないし!





・・・フルーツ関係って
言われても。





私は検索アプリで
「フルーツ お出かけ 楽しい」
と打った。





何があるだろう・・・
あっ! いちご狩り!!





メアリ《ナオヤ!
いちご狩りがあった!
良くない?
いちご狩り!》





ナオヤ《お前が1番
行きたそうじゃねーか笑》





メアリ《あ、バレた?》





ナオヤ《コウショウに
聞いてみるよ》





メアリ《ありがとー》





ちょっと経って、
グループが作られた。





メンバーは、
私とココハと
ナオヤとコウショウ。





ココハ《メアリ!
どうしてコウショウ達と
グループなったの!?》





メアリ《それは、
グループメールで話されるよ!
お楽しみ!》





そして、グループメールで、
いちご狩りの話題が話され、
4人で行くことになった。





私はココハとコウショウで
いけばいいのにと、
個人メールで
ココハに送ったけど、
ココハはなぜか
4人で行くことを求めた。





いちご狩り!
楽しみ!













*・゜°・*:・。・・・:*:・。・ ・。・:*・゜°・*・*:・。・





・日曜日・





私たちは、
駅前に集合して、
電車に乗り、
いちご狩りスポットを目指した。





コウショウ「俺、いちご狩り初めてだわ!
ココハは行ったことある?」





ココハ「初めてだよ!」





コウショウ「そうなんだ!
めっちゃ食べよーぜ!」





ココハ「お腹崩すよー!」





2人は楽しそうに
笑っていた。





よし!!





いちご狩りスポットに
到着すると、
現地の人の注意事項を聞いて、
いちご狩りを始めた。





どうにかして、
ココハとコウショウを
2人にさせたい!





なんかきっかけを・・・





ナオヤ「メアリ!
あっちにめっちゃ
美味しそうなのがある。
行こーぜ」





ナオヤは
私の手を握って
走り出した。





ナオヤ「メアリも、
ココハとコウショウを
2人にさせたいと思った?」





メアリ「うん!
ありがとナオヤ」





ナオヤの頬が赤い。





メアリ「ナオヤ?」





ナオヤ「・・・あ。
まぁ俺の名演技の
おかげかなー!」





メアリ「あははっ!
ねぇ! あそこに
本当に美味しそうなのがあるよ」





ナオヤ「おっ! でか!」





私はハサミで
茎を切ろうとする。





メアリ「あれ?
きれない」





ナオヤ「貸して」





ナオヤが私の横から
手を伸ばす。





ナオヤは手際よく
いちごを切り離した。





ナオヤはいちごを
見つめて笑う。





ナオヤ「いちごの花言葉って
たくさんあるんだってさ」





メアリ「ナオヤが花言葉って!」





ナオヤ「わ、笑うなよ・・・」





ナオヤは
ムッとした顔をしたあと、
再び笑顔を浮かべる。





ナオヤ「そんなかで、
いいものがあったんだ」





ナオヤは私をじっと見つめ、
いちごを差し出した。





ナオヤ「『あなたは私を喜ばせる』」





ドキッ・・・





私はいちごを受け取り、
目をそらした。





メアリ「な、なんで
花言葉覚えたの?」





ナオヤ「メアリ、
花言葉とか好きかなーって
思ったからだよ」





『あなたは私を喜ばせる』
・・・か。





ナオヤ「・・・よし、
まだまだ
たくさん獲るぞ!!」





メアリ「よ、よし!」





私、ナオヤに
ときめいた・・・?





そ、そんなわけ・・・





私はナオヤがくれた
いちごを見つめる。





ドキッ・・・





ナオヤ「メアリ、
何してんの?
置いてくぞ」





メアリ「あ、待ってー!」













*・゜°・*:・。・・・:*:・。・ ・。・:*・゜°・*・*:・。・





・トイレ休憩・





ココハ「メアリー!
2人っきりにしてくれて
本当にありがとー!
たくさん話せた!」





メアリ「それは良かった!」





ココハ「で、
ナオヤとは?
どう?」





メアリ「えっ!?」





ココハ「私は2人
お似合いだと思うなー!」





ナオヤと・・・私・・・





メアリ「そ、そんなわけ・・・」





ココハは落ち着かない
様子の私を見て笑う。





ココハ「お互いがんばろ!」





メアリ「え!」





・・・私ナオヤのこと
好きなのかな。













*・゜°・*:・。・・・:*:・。・ ・。・:*・゜°・*・*:・。・





・休憩後・





ナオヤがいちご狩りの
看板の前に立っていた。





ナオヤの横顔
カッコいい・・・





・・・って!
メアリ、
ちゃんとしろ!





メアリ「ごめーん!
遅くなっ・・・」





カノン「ナオヤくん!」





・・・え!?





ナオヤに話しかけたのは、
学年1美女の
北川カノンちゃん。





カノン「ナオヤくんも
いちご狩り来てたんだ!
ね、1人?
私家族と来てるんだ。
私と一緒に回らない?」





なにっ!?





ナオヤは私を見つけて
近づいてくる。





ナオヤ「ごめん北川。
俺メアリと回るから」





カノン「・・・そ、そうなんだ」





ナオヤは私の手を引いて
歩き出す。





メアリ「ナオヤ、いいの?
カノンちゃんと
回らなくて・・・」





ナオヤは急に
立ち止まる。





ナオヤ「俺が北川と回ったら、
お前1人になるだろ」





メアリ「あ、ありがと」





ナオヤは笑う。





ナオヤ「感謝されるようなこと
してないけど」





ナオヤは、しゃがみこみ、
1つのいちごに手を添える。





それを摘んで、
そのいちごを
微笑みながら見つめた。





ナオヤ「いちごってすごいよな。
甘くて、美味しくて、
みんなに人気。
いちごの花言葉が、
『あなたを喜ばせる』っていうこと、
わかった気がする」





メアリ「だよね。
いちご嫌いっていう人、
見たことないもん」





ナオヤ「あと、
メアリに似てる」





メアリ「え・・・?」





ナオヤは、
目を細めて笑った。





ナオヤ「お前見ててよくわかるよ。
昔からみんなに好かれてて。
周りの人を笑顔にさせる」





私は頬が熱くなったのを感じて、
ナオヤから目をそらした。





ナオヤ「俺、昔からずっと
メアリのことが好きだ」





ナオヤは、いつも
私のそばにいてくれた。





気づくのが、
遅くなってごめんね。





メアリ「私も、
ナオヤが好きです」





ナオヤは、
嬉しそうに笑い、
私を抱きしめた。





いちご畑の中、
いちごの甘い香りが
私たちを包み込んだ。





そのあと、ココハも
コウショウから告白され、
付き合うことに!





私たち4人は
机を囲んで座った。





お楽しみのいちご
味わいタイム!





いちご1つまるごと
口に入れた。





ココハ「メアリ?
大丈夫?」





いちごの優しい甘みが
口いっぱいに広がる。





メアリ「おいしー!!」





ココハもいちごに
かぶりつく。





ココハ「おいしー!!」





そんな大はしゃぎの私たちを、
ナオヤとコウショウは
笑いながら見ていた。





コウショウ「ココハとメアリ、
ほんと仲良いよな」





私とココハは
目を合わせ笑った。





私とココハとの
仲が深まり、





私とナオヤ、
ココハとコウショウの距離が
ずっと近くなった。





これはきっと、





いちごがもたらした幸福だね。







*end*

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