君と私、桜の下で・・・

CAST田中南

作者：華恋

2020.05.09

私は田中ミナミ。
ニコラ中学校の１年生で、
吹奏楽部に所属しています。

そして、こっちにいるのは
相棒の戸部コウショウ。

２人合わせて、
吹奏楽部のエースと
言われている。

＊。・　学校　・。＊

ミナミ「コウショウー」

コウショウ「なんだよ、
ミナミ」

ミナミ「来年さ、
同じクラスになるかな？」

コウショウ「さあな、
吹部のエースの
俺らだったら
同じだと思うけど」

こんな他愛のない会話が、
私の楽しみ。

コウショウとは
長い付き合いだから、
安心する。

ワカナ「ミナミちゃーん」

ミナミ「あ、ワカナちゃん、
どしたの？」

この子は
宮本ワカナちゃん。

クラスのマドンナで、
私と同じ吹奏楽部。

ワカナ「どーしたの？
吹部のエースが
ラブラブしてさ？」

ミナミ、コウショウ「ただ話してただけだよ」

ミナミ、コウショウ「揃った！」

３人の中で
笑いが起こる。

こんな感じが
ずっと続けばいいのに・・・

＊。・　家　・。＊

ミナミ「うーん・・・」

最近、コウショウに
相棒としての気持ちでは
ないなにかが、私の中にある。

ミナミ「でも、コウショウとは
相棒兼幼なじみ。
恋なんて・・・」

ミナミ「そうだ、
ワカナちゃんに
相談してみよう」

～LINE～

ミナミ《ワカナちゃん、
相談があるんだけど・・・》

ワカナ《どしたの、
ミナミちゃん》

ミナミ《最近さ、
コウショウに対して
変な気持ちなんだよね》

ミナミ《相棒として、
幼なじみとしてじゃない、
もやもやした感じ》

ワカナ《それが恋って
言うんだよ？
応援してるよ？》

ミナミ《そっかぁ・・・
恋なのかぁ・・・》

＊。・　学校　・。＊

ミナミ「・・・あれ？」

コウショウが
女子といっしょにいる。

気になるので、
陰から見てみよう。

女子「戸部くんのこと、
好きでした！
付き合ってください！」

コウショウ「ごめん、
俺好きな人いるんだ」

ミナミ「え・・・
好きな人いるんだ」

そんな、長い付き合いだった
コウショウに
好きな人がいるんだ。

＊。・　別の日　・。＊

それを知ってからショックで
私は部活にも手がつかなくなり、
勉強も手が付かない。

コウショウ「どうしたんだよ、
最近」

ミナミ「え・・・？」

コウショウ「ミナミらしくないじゃん」

ミナミ「そうだけど・・・」

コウショウ「こっち来てよ」

ミナミ「何？」

コウショウの眼が
真剣になる。

人気のない、
早咲きの桜の下に
連れてこられた。

コウショウ「俺はいつも元気で
積極的なミナミが
好きなんだよ」

コウショウ「宮本に言われて
決心が着いたんだ。
ミナミが俺のこと
好きなんだって
教えてもらったから」

コウショウ「お願いだ。
前のミナミに戻ってくれ！」

強い風が吹き、
桜の花びらが舞う。

ミナミ「私もコウショウのこと好き！
相棒として、
幼なじみとしてじゃなくて！」

嘘みたい。

コウショウから
告白だなんて・・・

それからの私は
部活イチの腕前のエース！

相棒兼彼氏のコウショウと
いっしょに、
これからも頑張るぞー!!

＊ｅｎｄ＊