私を1番強くするのは
作者:MEKKA先生
こんにちは!
村田ユウだよ。
とにかく雑誌・ニコラのモデルに
憧れてる中3です。
きっかけは、小学4年生の時に
好きになった、竹内リュウト。
私たちは家が近所で、
小学校はずっとクラスが
同じだったの。
で、小4の時に初めて
彼への気もちを自覚したわけ。
モテる彼に
好きになってもらうためには、
かわいくならなきゃって思った。
クラスで1番、いや、
学年で1番くらいには。
もともと容姿には
自信があったから、
さらに自分を磨きたいって。
そこで読み始めたのが、
雑誌ニコラ。
360度かわいいオーラを放ち、
輝いてるモデル。
素敵な洋服を、さらに素敵に
見せてるモデル。
大変な芸能界の中を、
強いメンタルで
勝ち抜いてるモデル。
私はそんなニコラモデルに
憧れを持ったんだ。
初めてニコモオーデを
受けたのは、小5の時。
でも、書類で落ちちゃった。
小6、中1と受けた。
でも、それも書類で落ちて。
27期の中に、自分と
同い年のそのまちゃん、
梨里花ちゃん、陽菜ちゃんが
受かってたの
また悔しくて。
私の夢を知る唯一の人が、
リュウトだった。
「モデルにならなくても、
ユウは輝いてるよ」
普通の男子なら
言ってくれなそうな言葉に
きゅんとしたのは事実だったけど、
「かわいい」とは
言ってくれないんだって思った。
やっぱり、リュウトの1番に
なりたかった。
中2の時に、超絶かわいい子が
転校してきた。
稲垣クルミちゃん。
彼女は芸能界の実績もあって、
早速みんなの人気者になった。
「あ、あのさ、
稲垣さんが出てるドラマ、
前に見たことあるんだ」
「え、ほんとっ? うれしい!」
1つ1つのしぐさがかわいい。
小さな時からずっといっしょの私には、
リュウトが惚れこんだことが
ありありとわかった。
でも、そのクルミちゃんも
中2の3学期に転校してった。
リュウトがクルミちゃんに、
「好きだ」って言ってたのを
見ちゃったこと、
今でも時々思い出すくらい、
しっかりと覚えてる。
こんなにずっといっしょなのに、
彼は絶対私のことを見てくれない。
それなのに、ほんの少しの
可能性にかけて
自分を磨き続ける自分が、
惨めだった。
「ユウ、ニコラって雑誌の
読モになったんだって!
すごいじゃん」
1番最初にそう言ってくれたのが、
他でもないリュウトだった。
彼はまだ、私のことを
見てくれてる。
私は誓った。
「絶対、来年は
ニコモになって見せる」
・。・。・。・。・。・。・。・。
秋のある日。
帰り道を歩いていた。
5時でも、もう暗い。
「よっ、ユウ!」
振り向かなくてもわかる。
リュウトの声だ。
「ああ、おはよう」
「ははっ、おはようじゃねえよ」
彼は、私の横に並んだ。
「ニコラ? みたいなのの
オーディション、どうなったんだ?」
彼がそう聞いてくれたことが
うれしかった。
「もうすぐ発表される」
あと3日だ。
受かった人には、お披露目より
1か月以上前に電話がくる。
「へえ。あのさ、俺、
そのモデルみたいなのの一覧
見てみたけど・・・」
耳がほんのり赤かった。
「ユウの方が断然かわいいって、
思ったよ」
やっとかわいいって
言ってくれた。
私がほしかった言葉。
でも、もっと欲しい言葉がある。
「応援してくれる?」
リュウトは
大きくうなずいた。
「お前、絶対受かるよ」
・。・。・。・。・。・。・。・。
3日後、電話が来た。
「リュウト! あのね・・・」
リュウトのおかげだよ。
女の子を1番強くするのは、
やっぱり恋だ。
君のためにがんばってよかったよ。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。




























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